2017年4月12日(水)放送分:選択科目の話

小松「お昼の時間になりました! こちらは東大正高校放送部、昼休み放送【CONTINUE TO AFTERNOON】略してコンヌン! 始まりますよ~」


蝶野「部長と坂木からバトンタッチして、水曜パーソナリティは俺、蝶野詩郎ちょうの しろうと?」


小松「小松凪歩こまつ なぎほの二人でお送りしていきまーすよー」


蝶野「えー、俺たちはタメだから、昨日と一昨日みたいなパワハラはないんで。安心して聞いてくださいね」


小松「セクハラもないって言ってよ」


蝶野「まぁ、今日から新学期も3日目で、お便りコーナー再開だからな。俺がセクハラしなくてもリスナーたちはどうかな?」


小松「リスナー全員蝶野の手下みたいな言い方やめて」


蝶野「そんなわけで1枚目のお便りです! 何枚目でセクハラが来るかな?」


小松「リセマラかよ」


蝶野「ラジオネーム『燦然セカイ大好きっ子』さんから頂きました、ありがとう!」


小松「ありがとー! 私も燦然セカイちゃんの動画好きだよー」


蝶野「『初めまして先輩方。僕は先日入学したばかりの新入生なのですが、選択科目をどれにするか決めかねています。美術・音楽・書道の3つがあるのですが、どれも不得意でも得意でもなく、判断しかねています。パーソナリティのお二方はどうやって選択科目を決めましたか? よければアドバイスお願いします!』」


小松「選択科目かー。んー、アドバイスって言ってもなー」


蝶野「俺は全部嫌いだったから、兄貴が一番ラクだって言ってた音楽選んだな。兄貴の時とは先生変わってて意味なかったけど……」


小松「ラクだから選ぶってどーなのそれ。新入生も聞いてるんだから、変なこと吹き込んじゃダメだよ」


蝶野「そういうお前は何選んだんだっけ。俺とは一緒じゃなかったよな?」


小松「うん。美術だよ。でも正直、ちょっと失敗したかなーって」


蝶野「なんで? お前いつも書類とかにラクガキしてるけどめっちゃうまいじゃん」


小松「鉛筆で描く白黒のイラストにはそこそこ自信あるんだけどね。美術でやる水彩画とかはサッパリなんですよ。にじむし、うまいこと色でないし。

 カリキュラム上しょうがないんだろうけど、ほとんど小学校や中学校でもやったことをもう一回やっただけだったし、せっかくならあまりガッツリ習ったことない書道とかやってみたらよかったなー、って」


蝶野「ふーん、そんなもんか。まぁアドバイスとしては、特にどの科目が好きとか嫌いとかないんだったら、友達と同じところ選べばいいんじゃね? って感じかな」


小松「そうだねー。どうせ2年生でまた別の選択科目選ばなきゃだし」


蝶野「哲学、心理学、プログラミングだっけ。お前どれにするんだ?」


小松「1年の時からグレード上がりすぎだよねー。私まだ決めてないや」


蝶野「俺はなんとなくカッコいいから心理学行こうと思ってんだよ」


小松「そうなんだ。じゃあ私もそこ行こっかな……」


蝶野「来んな」


小松「えっ」


蝶野「ダメだ。来んな」


小松「……私って蝶野にそんなに嫌われてたんだ……?」


蝶野「い、いやそういうわけじゃねぇけど。心理学って、人の心読めるようになるってことだろ? それを修得すれば、放送部の中で頂点に立てるだろ?」


小松「漫画の読みすぎ! 普通高でそんなヤバイ技能教えるワケないでしょ!」


蝶野「もう止めても無駄だぜ小松」


小松「聞いてよ」


蝶野「俺は心理学を修得し、放送部の賭けトランプで全勝してやるんだ!」


小松「賭博法違反を全校放送でバラすな!」


蝶野「そんなわけで一曲目いってみよう!」


小松「だから聞いてよ!」


蝶野「今日、放送部のツナイダーアカウントにリクエストされた曲ランキング。1位はこの曲でした、聞いてください。

 RAD WI〇PSで、『〇〇〇世』」


小松「四分の三隠されてるのに曲名が分かっちゃう……」




蝶野「聞いていただきました『前前前〇』。小松、『君の名は〇』見に行った?」


小松「その部分マルで伏せても意味ないよ。……ええと、うん。見に行ったよ。見に行ったっていうのは違うかな、春休みに行った旅行の帰りに、飛行機で見たの」


蝶野「オイオイオイ、こんな雑談の中でまでマウント取ってくんなよ。『長期休暇には毎回海外旅行行ってますよ~貧民のみなさんコンニチハ~』って思いながら今まで放送してたのかこのクソアマ」


小松「曲解が過ぎるよ! 春にしかお父さんがまとまった休み取れないだけだから」


蝶野「はぁ。ずっと楽しくラジオやってたつもりだったのになぁ。この1年間ずっと『コイツ長期休暇に海外旅行にも行けないド低級市民のクセに、よく私と対等に話してるわねくっさ死ねばいいのに』とか思ってたんだなぁ」


小松「死ねばいいのにとは今思ってるよ」


蝶野「冗談だって! 今年部員がいっぱい入って部費いっぱい入ったら、それ横領して夏休みにみんなで沖縄行こうぜ!」


小松「部長と蝶野、ちょっと一回マジで全校放送の意味教えた方がいいよね」


蝶野「まぁさすがにもう横領はしねぇよ。去年みたいな目に遭いたくねーし」


小松「去年私らが何かしたみたいな言い方やめて! 放送部は清廉潔白です!」


蝶野「そんなわけでみんな、放送部に入ってレッツ沖縄! 足りない分は部長が自腹切ってくれるからな!」


小松「あ、それはホントでーす。みんな一緒に沖縄旅行! 部長に買わせた水着で泳いで、部長に買わせたアイスを食べよう! そんなわけで2曲目は、ちょっと早いですが夏の曲!

 A〇B48で、『真夏のS〇unds G〇〇d!』」


蝶野「その部分〇で伏せても意味ないだろ。ボケをパクんな」




小松「いたい……」


蝶野「……えー、曲の再生中にパーソナリティが部長からパワハラ及び体罰を受けるなどハプニングがありましたが、いかかだったでしょうか、聴いていただきました『〇夏のSounds Good!』……」


小松「今日パワハラないって言ったのにぃ……」


蝶野「えー、コンヌンそろそろお別れの時間です。んじゃ小松、最後になんか言っとくことあるか?」


小松「最後にもう一通くらいお便り読んでいい?」


蝶野「あーそうだな、せっかく10通くらい来たのに俺が選んだやつしか読んでないし」


小松「よし! じゃ、これこれ……えーと、ラジオネーム『ウサちゃんマン(♀)』さんからのお便りでーす」


蝶野「マンなのか♀なのかどっちかにしてください」


小松「『放送部のみなさんこんにちは』。はいーこんにちはー」


蝶野「こんにちはー」


小松「『部長さんのお尻の形が好きです。あと文芸部から借りたままのウノ、いつ返してくれますか?』というお便りでした」


蝶野「結局セクハラもパワハラも全部あったな。ていうかこの放送終わった後もう一回パワハラされるわ」


小松「借りパクされたウノの行方については、多分来週の放送で部長さんから直接解答があると思いますので、是非明日以降の放送も聞いてくれるとうれしいでーす」




蝶野「はい、じゃ締めるか。今日のお相手は。

 今のお便りで坂木からヒロアカ借りパクしてることを思い出しました。ごめん、夏休みまでには返すからな! 2年3組・蝶野詩郎と!」


小松「ちゃんと明日返しなさい。2年2組・小松凪歩でーしたっ」




??「放送切ったら部室に来てね2人共」


蝶野「おっ! 沖縄旅行のプラン決めですか?」


小松「天国旅行かもね」


??「地獄よ♡」

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