じつはね~その3~
白紙は全てを受け入れる。
夢、希望、冒険、友情、恋愛、日常…
悪夢、絶望、悲劇、殺傷、鬱、恐怖…
全てが許される、何よりも残酷で優しい世界だ。
故に綺麗である必要は無い。
むしろ汚物であるべきだろう。
情熱もいらない。
憧れもいらない。
体験もいらない。
如何に醜悪であろうとも構わない。
きっかけに大層な過去話はいらない。
ある男は根に持ちやすい性格をしており、些細なことで感傷に浸った。
いつしか心にあるのは悪意のみ。
それは抑圧せども溢れかえる後悔の泉。
それは怒りと不安を繰り返す虚しさの川。
それは傍から見れば嘲笑される恥の嵐。
…ある男にとってこんなポエムの様な事を書くのは、駅前で裸踊りをしているのと同じだ。
痛さを押し出した者同士のお陰で若干中和されている所がわずかな救いである。
しかし、そんな痛々しさの中で、男は有象無象を通して、一つ物を覚えた。
殺意を白紙に突き立ててみろ
インクは『殺意』でペンは『剣』で白紙は『誰かの
殺意が生んだ剣で誰かの現身を傷つけて楽しんで。
殺意の創造は思いの外悪くない。
出来栄えにもよるが、心が洗われる。
男は問う。
「どうだろう?貴方もやってみては?」
「まぁそれでどうなるかは、保証しませんが」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます