じつはね~その2~

 ある男と女の話をしよう。

 二人の関係はネットで知り合いチャットで話すようになった、ただの他人だった。

 たまたま趣味が合い会話をするようになり、しばらく話し込んでいたのだが空気も読まず横槍を入れてくる『もう一人の女』がいた。


 この女を仮にNと呼ぶことにする。

 Nは元々男に粘着質に文句を言う云わばストーカーであり、ただの荒らしである。

 毎度毎度、チャットの秘話機能を利用し文句を言ってくるのでどうやら公に言いづらい後ろめたさを感じてはいる模様。

 男も腫れ物に触れ無いように出来る限りシカトを決め込む事にしている。

 ちなみに今回は急に現れて「態度が横柄だ」とかそんな事を言っていたが、男はチラ見程度にしか読んでいないので内容はほとんど覚えて無い。




 Nを無視して、男と女との会話が進む。

 相談事をしたり世間話をしたり、冗談を言ったりを繰り返す中でまたしてもNが横槍を入れてくる。

 いつも通りシカトしようとしたが今回は訳が違った。


 Nは業を煮やしたのか秘話機能を利用せず、堂々と荒らし始めたのだ。


 これにはさすがの男も迷惑に感じ、鬱陶しいと思わずにはいられない。

 男は女に聞いてみることにした

「ちょっとあのNはヤバくないか?」と。




 しかし女から帰って来た返答は予想の斜め上だった。

「そのNは私の『友達』だ!」

 男もこの事実には驚愕せざるを得ない。

 思わずいくら何でも友達は選んだ方が良いとツッコミを入れたくなったが、グッと堪え謝罪を入れる。

 だが、それでは間に合わなかったらしく女は

「私の友達を侮辱するのは許せない!!」と憤慨してしまう。

 念を押して言うが、男は本当にNの問題行動に同情を求めただけでありNに対する暴言は吐いてない。


 それでも結果として男はチャットを追い出される形となってしまった。


 あんまりに理不尽な体験にやるせなさを抱いてしまうが、それと同時に男は思う。


女はNを『友達』と言っていた。

しかし・・・




「アレは本当に友情だったのだろうか?」

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