虐めが許されるクラス

私のクラスで虐めが起きた。

私のクラスはその事件に真摯に対応した。

そして

私のクラスは『虐めを許容』した。




小学生の私のクラスは虐めが起きたので、ルールをみんなで考えて決めたのだ。

以下、クラス会議で決めたルール

・虐めが起きたらすぐ先生に報告すること

・報告したら虐めっ子の処分を会議し皆で決めること

・虐めっ子は処分をちゃんと受け入れること

みんなはそれに納得して、来週から実行されるのだ。


月曜日、クラスメイトのA君がB君の給食を勝手に食べた。

会議の結果、A君は『明日の給食は抜き』になった。


火曜日、クラスメイトのA君がB君を殴った。

会議の結果、A君は『B君に一回だけ殴られる刑』になった。


水曜日、クラスメイトのA君がB君に宿題をやらせた。

会議の結果、A君は『反省文、原稿用紙10枚以上書く』ことになった。


木曜日、クラスメイトのA君がC君にB君の陰口を叩いた。

会議の結果、A君は『明日だけクラスメイトから無視される』ことになった。


金曜日、クラスメイトのA君が授業に遅れてみんなに迷惑をかけた。

会議の結果、A君は『みんなの前で謝罪会見を開き、土下座する』ことになった。


土曜日、クラスメイトのA君が不登校になった。

会議の結果、この件に関しては『先生の怠慢』ということになった。




先生は土曜日の会議で、みんなにこう伝える。

「確かに先生の怠慢だ。君たちの虐めを処分と称して許容してしまった。教師として責任を持って、君たちを処分する」


みんなは口をそろえ、声を張り上げる。

「先生の言っている事はおかしい!」

「先生は悪いA君を庇っている!」

「先生のそれは独裁だ!」


「「「先生にこそが必要だ!」」」




月曜日、先生は来なかった。

火曜日、先生は来なかった。

水曜日、先生は来なかった。

木曜日、先生は来なかった。


そして金曜日


先生は『世間の前で謝罪会見を開き、土下座をする』ことになった。


それを見たみんなは、楽しそうな笑みを浮かべた。

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