推敲? を終えて

推敲させていただいた原作はこちら。

「呪われた龍にくちづけを 第一幕 ~特別手当の内容がこんなコトなんて聞いてません!~」


作家:綾束 乙 様

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884543861


※注意:あとがき長いです。飛ばし読み推奨。


あらすじをまともに書こうとして、設定の多さに説明しきれずコケまして、把握できてないじゃん〜と推敲に入ったので、割愛。

第1幕を読んで、推敲うんぬん以前に、メインのときめき展開に耐えきれず、話を直視することすらできない事態です。

冷静で、いられない。誰か、誰か、わかってもらえますかね、この気持ち。

書く時はもっと身に迫るわけでしょうが、読んでてこれじゃアッカーンので、ちょっと、少しでも自作にそういうものがないか、身近なレベルから慣らそうと頑張ったわけです。


この時点で、推敲は彼方。


で、最終的に、お話にはしてないけど、イヤというほど、バカップルを書いていた黒歴史を発見。

黒歴史:え、これ説明するの!? マンガから文章に移行していた日竜は気の利いたセリフが出てこないことに悩んでいました(圧倒的にセリフを書いて来ていなかった)。知り合いにキャラを書きたいから、話を作ってる人がいて、頭の中で会話しているのをそのままぶちまけたような、縦横無尽な生き生きさに日竜は参戦。

会話文は楽なので、ずるずるとスランプ中もそれだけは続けてました。

でも、友人にやめたいと言われ終了。一人でやっても仕方がないので、この寂しさを埋めるため、一人でできる文章を書こうとカクヨムに来たわけです。(二十年を7行で説明した)  完


人に見せるものじゃない。と思ってきた会話劇の恋愛もの。(以下、恋愛劇)

面白かったのは、そこでは筋も設定もほぼなく、よりキャラクターそのままをぶつけ合うこと。友人は終着のないそれを、延々書いてられる人でしたが、私は物語畑なので、オチやまとまりがないと、消化不良なので、ぼんやりとイメージします。

このキャラとこのキャラが◯◯したらどうなるか、とかネタを振って、始める感じ。

一発勝負の即興なので、恋愛のすれ違いは面倒だから、大概のカップリングは、成立した後のデレ展開です。

恋愛劇のネタ振りはシチュより突っ込んで、こんな場面、こんなセリフ、こんな関係性が見たい!

なのですが、言っちゃうとそれに縛られるので、いかに説明せずそこに持って行くか。

どんなに予想しても、パターンを読んでも相方から返ってくるセリフはもっとそのキャラに基づいていて、当たらない。でも見たいシーンは見たい!

そんな攻防は、スリリングで、話を書くというスタイルとは一線を画していました。


◇ ◇ ◇


推敲の観点から行くと、前回の時と少し似ていて、作者様がこうしたいというのは、あまり見えず、ストーリー的にこう書かなければ、とか、こういう話になることを目指しているんだ、というよりは、書きたいものを今まさに書いてます! という楽しさを感じます。


>「「カクヨム」受けしそうな、キャッチーな第一話を!」を一応、目指して書いております。


という言葉からも分かるように、ヅカさん(綾束 乙様)はすごい人なのです。第1幕以外に、普段はどんな話を書かれているのか読ませて頂きましたが、執筆の歴史のように、もっと言おう、完全変態の蝶々のように、話が脱皮し続けている。

内容、文体、ト書きとセリフのバランス、情報量が、話によって違うようです。どこに向かっているのか、変遷がどこへ行き着くのかは、わかりませんが、ユーザーページを見て、こんな風に作者様のいろんな姿が味わえるのも珍しいと思いました。

ちゃんとそれぞれの作品が完結している堅実さはちょっとお手本です。だから、脱皮できるのかな。

読者を楽しませながら、書き手自身も楽しんで、自ら進化し続けている作者様の姿勢に、推敲の必要はないというのが正直なところです。


そもそも今回、私には推敲する余裕がなく、ゆえに趣味全開となっていることをお許しください。


いつもの話を書いてる感覚ではなく、会話劇(トーク)をやる時の頭です。

推敲前のメモが変わってきます。トークでは8:2くらいで、8割がキャラ任せ。

(すでに骨子のある話に適用したので、違いはわかりにくいですが)


ついでに、昨今人称の書き分けについて気になってたので、分けて2回書けばいいんじゃない? となりました。


書く前のメモ、不躾なことを言っていると思いますので、ご注意ください。

あと、ネタバレになるかもなので、原作未読の方は読まないで。(作者様、削除要請受付けますので、仰って下さい!)


【三人称】

◆メモ

明珠は中途半端に事情を知っている。(自分の能力についてよく知らない)

◯◯は後ろ盾のない身で◯◯の中で一番◯◯の扱いに長ける。

シンデレラストーリーではある。しかし、完全ではない。彼女もまたさる血筋と強力な術者の間に生まれた、特別な娘だから。


貧乏人出身で母亡き後は苦労し、考え方、まとう雰囲気は庶民のそれだ。が、◯◯の気を奪われた◯◯にとっては花のようにかぐわしい、蜜の気を持つ。

引き合うというより、一方的に心を溶かされてしまう相手。

それに気づいていないから、少年にはまだ理性がある。

それとは別に、素直に、垢抜け切らない娘を好奇とともに愛でる所がある。

虜になるのは時間の問題。

娘は元気一杯だがうぶである。ドキドキはしても、なびかない。でもどちらかというとどーんとその身で受け止めるタイプである。

例えばミロ(区別のため持ちキャラと比較)のように可愛い反応(男受けするやつ)ではないし、サウラのように素直(生まれたて)でもない、

相手の気持ちの少し違うところを見ている。


その猪突猛進さ? 鈍さ? 普通さ。がそそる? 薄幸な儚く美しい母とは違う、雑草のごときたくましさ。が、いいらしい。

超展開でもない、少しすわりが悪い、心の通い合い? 通い合う所が見てみたい。

勘違い(天然)で足掻かせたい、もどかしさを演出したい。

本人の勘違いはもどかしいか?

ぴあのは運命がある。

めいきは我慢する系。

いい子全面というよりは、所帯じみている(貧乏、母のような雰囲気はない)

雑草のたくましさ、人に力を与えるのかもしれない、能力の未熟、不安定、潜在能力について誰も導かない。

ハートなのだろう、一番持っているものは。

ぴあのがそうで、周りが大人だから遠慮したり、抑えたりしてる。

それがない所が魅力だし、ヒーローとの釣り合いになる。

対比をしっかり書く。諸々の設定をシンプルにする。順番に気をつけ、見せる優先度を間違えない。一番アピールしたいのは、たくましさ、所帯じみているさま、アカ抜けない→できれば出会いを通して磨かれていく(シンデレラ)展開希望。

彼女の中にある設定、可能性を潰さない、広げていく、いつかヒーローと肩が並ぶくらい。


◆トーク的だった部分

ヒロインとヒーローを独自に把握するだけのメモになっています。これ書いて、で……じゃあ、書くか、と。必要なことは確認した(押さえたよね)状態。トークはスジナシなので、話の構成(物語の中身の展開)はしません。

頭の中で見据えてるのは、書く原動力になる書きたいシーン。

今回は2箇所、明珠が押し倒して、素肌に叫ぶ所。後半、青年が明珠を渡さない所。それ以外のシーンは、この瞬間のための布石、お道具、お膳立てとしてフル活用しています。うまくお膳立てできてるといいのですが。


書くスピードも落としたくないので、せいぜい時間をかけるのは、始める前と、冒頭くらいです。(進入角度は合ってますか? ちゃんと目当てのシーンにその始まり方でたどり着けますか?)

最初の方、名前以外、舞台が中華を示す部分が少なく感じたので、形だけでも!とちょうど手元にあった「中国喫茶詩話」から言い回しをお勉強し、叩き込むのにちょっと時間かかりました。漢詩は苦手よ。

この本と「十二幻夢曲」のBGMが心の拠り所。


他にも原作からこまごま変更してますが、深い意味はなくて、1幕を読んで後の展開がこうだから、こう。やりやすいように、話が生きる方向へ。

(農夫の親子が祖父と孫になっていたり、少年の名を明かしていたり、剣を短刀にしたり、会話の流れの変更、ヒロインの不調を具体的にしたり、最後のシーンたっぷりだったり、などなど)

より目指すシーンがドラマチックになるように! とその場その場の嗅覚でやってます。無意識のうちに話を構成するクセがだだもれ。


◆感想

終わる頃には元の文より1300文字も増えているのは、おそらく手書きにしたせい。(打ち込み面倒ですね!)

おかげで伸び伸び書いた上、通しで読んで面白いなって思いました。(お前の話しじゃないから)

読みやすい原作に比べ、堅苦しくなっちゃったかなぁとしょんぼり。

早く書きたい場面に行きたくて、最初の方、端折ったはずなのに、おかしいですね。張宇さんがめっちゃ書きやすかったです。(そこね、延びたのそこね)


◇ ◇ ◇


【一人称】

◆メモ① トーク視点

書いたけれど、割愛。

三人称とかぶりながら、ヒロインに絞って、もう少し突っ込んでます。

話を書く時と違い、内面ではなく、アウトラインを観察します。


◆メモ② 話としての視点

書いたけど、ほとんど暗号。

一人称で書く利点と、注意点の洗い出し。


◆経緯

メモ①を書いて、原作下地ではなく、より差がわかるよう、三人称で書いたものを下敷きにすることを決めました。

2/3書いたところで、これはだめだな、と思い直し。立ち止まる。一人称双方向なら釣り合いが取れるけれど、三人称書いた後に一人称読むなら、話の視野が狭くていけない。情報が1/3に削られる盲目さ。

一度書いてるせいで、即興にはならないし。

三人称を別の角度から見た、ただのサイドストーリーになってしまう。2/3書いたノリを壊さない程度に、話として確認する。

冒頭を変更し、その記述の部分だけ、三人称とは流れを変更。

こちらは結局、話の感じでじりじり書きました。


◆感想

三人称より文字数増えてるじゃないか、バカー。(そこ?)

一回こけたせいで、一人称は難しいというのが、よくわかりました。情報が制限されますね、だからこその見せ方が成り立つんでしょうが。

後、主人公がいないシーンも書きにくし。面白かったけど。他に手はないのかね?

多分、構成から変えないと手はないと思う。

書くにあたり乙女成分が足りなかったので、「凪のあすから」の曲を悩んだ末、1曲ダウンロード(古いって? アニメで恋愛ものは見ないのにこれはなんか見てしまった)、書く前にずーっと「三つ葉の結びめ」聴きながら、原作1幕の名シーンが走馬灯です。せつない。でも明珠として書ききるのが第一義。女の子の一人称、雰囲気を壊さず書けているといいのですが。



◇総評

このあとがき、二話に分けるべきな量になってます。誰かついてきているのでしょうか? 勇者ですね。(付いてきてる前提かよ)


>推敲は好きになさってくださいませ~!(*´▽`*)

というお言葉に甘えさせて頂きました。 推敲というよりただのリメイクで申し訳ないです。根本的に直す所がなかったのです。

綾束様には長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。


こんなことがなかったら、カクヨムに流れ着いたトラウマを克服することも、人称の書き分けにトライすることもずっと後回しにして、気づかなかったかもしれないです。

企画を立ててくれた主催者様、参加して下さった原作者さま、本当にありがとうございました。


人称かき分けてみて、三人称の奥深さが垣間見えたような。某有澤いっちゃん様が仰っていたように、完全な?三人称より一人に絞った三人称の方が使えるかもしれない、という感覚を覚えました。(書きながら私って誰?ってなったので。その時点でブレてるなと思いました)


あとがきまでトークのノリでいかせてもらってますが、トークはこんな感じで、読んだ後に何も残りません。

ストーリーがないと心に残らない。

でも40組のバカップルのベストシーンを忘れたくもないので、恋愛劇を書く時は、読んだあと、目指したシーンが1枚の絵になればいいな、と思ってます。

その瞬間の感動にかけて、より高揚するように、ときめきより、感動を求めて書いてました。

人物だけでドラマを作る、言い換えれば一発ギャグです。(マジで)

記憶に残る絵になるよう、ひたすら外堀を埋める作者。

人に見せない前提だったので、自分がキャラたちのそれを見たかっただけですけど。

長々と自分のことばかり喋ってしまいました。お付き合いいただいた方々に感謝を。


そうして日竜は灰色になった歴史を地球の裏側まで通じる穴に、埋め戻すのであった――。

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