まえがき・推敲・改稿を終えて
原作は現在、新作として生まれ変わっております。
「赫刃のミフォローギア―帝都幻想怪奇譚―」
作家:蜂蜜最中 様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885938679
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怒るとか怒らないとか以前に、作者さまのぽかんとした顔が見えるようです。
冷笑・失笑・苦笑・爆笑、いろいろ笑いにも種類がありますが、ひらに笑ってご容赦お願いしたいところです。
もちろん、削除要請には速やかに応じますので、仰って頂ければと思います。
さて。
他作品に手を加えたことも、二次作も経験がなかったので、立ち位置どこ!?から始まりました。(なんだかデジャヴ)
誰かが書いた文章について、助詞ひとつ誤字ひとつとっても、その作品の魂のカケラである。と、信じているところがあるので、指摘したくない、動かしてはいけない、絶対無理、無理無理、と思っていました。やってみた感想は、
ちょー気持ちぃいい(北島康介で)
あー……二次作に夢中になる人々の気持ちがわかったような、わかってないような心持ちです。
読書とはまた違った話の中に入る行為、だという気がしました。その世界を体験し遊んでいる感じ。
でも、過去に話を読んでくれた友人に感想の代わりに全赤ペン校閲を受けたトラウマがあるため、やはり、あら探しになりかねない、技量の不確かな推敲をやることにちょっとしょんぼりしてました。
推敲も改稿も本来は作者が取り組むもので、他人にできるのは校閲くらいだろうというのが、今のところの結論です。
校閲も指摘というより、おうかがいを立てる姿勢が好ましいのだな、と最近「セブンスルール」で校閲者の姿を見て納得したところです。その伺いを採用するか最終的な責任は作者にあるのだと考えますが、平常心で受け取れるように、伝えるのも指摘する側の仕事。
あえて推敲する企画に参加し、ひとまず自分の作品のように考えるしかないなと、腹を括ったような、やってるうちに楽しくなってそれも忘れてしまったような不甲斐ない初心表明です。
推敲について。
1度目は楽しく読んで、2度目にメモを取っております。
人に晒せない厳しい文言になってますが、そのまま載せてみます。
信長が死んでないこと、ここであってここでない世界/セミはいるか?別の表現はないか/そ外国ルビ/言葉選び/主人公像/句読点/関係性/女性のキャラ どう固定する?/主人公は違和感がない/じろり/ひっそり/細い/ら抜き言/一般常識/図書室 掘り下げるか情景/その、こんな指示語が多い/多層構造/ここも掘り下げるか、景観を/コメント/どこか突き放している/ぶった切っている/使い方次第/場所の説明から人の説明になった。なぜだ、この後にその人たちの詰所が出てくるからだよ。/軍都って書こうか/その、それこそ等
読みミスでメモってる項目もあります……。
多分、自作の時は先に話の方向性と、そのシーンの方向性と、どう見せたいかを先に提示してから、そぐわない点をはじき出すので、もっと膨大な量になるんですが、
先にメモを出してから、後追いで話の方向、場面で提示したいこと、するべきことの方向、作者が大切にしていること、を探りました。
頭で考えてもわからないので、ほぼコピペせず、同じ文章をそっくり打ち込んで、
亡プリ(略してごめんなさい)の文体の空気を指と脳に覚えてもらおうとしました。
そんなに色々したのは、話に流れる骨子を、読み手が受け取るイメージを変えたくないと思ったからです。違和感なくこっそり推敲できたらな、と考えていました。
一言一句つぶさに観察して、吟味して、話の主題をより明確にするのが、イメージする推敲です。
自分が邪魔をして、直してみてももう一度目を通すと、元の文章に帰りたい気分になったりしました。
ノックや征夷大将軍の件も、少し調べました。
もう原文は残ってないかもしれませんが、本邦では図書室(館)の前身は
(洋造りと加筆した部位)
信長が実際に存命していたら、執権、征夷大将軍、関白、どれでも選べる力があったと思われ、IFの歴史ならなおのこと、とも思いました。
(調べたけれど、推敲されなかった部位)
「ごった煮」が美しさと同義になりにくいと考え、東洋と西洋の融合のヘレニズムみたいな、文化として確立している景観を描けばいいのかなぁ、と「ごった煮」を噛み砕くような挑戦をしてみました。
屋形船が「浮か」んでいたので、飛行船は「流れる」に……。
何をどうしてそうしたのかは、あげればきりがなさそうです。
けれど、全体的に推敲しやすかったのは、何が書いてあるかとてもわかりやすい話のまとまりになっていたからでした。
以前にバルバロさまの1話を評価する企画に、作品側で参加したことがあります。それは1話のみの「引き」を見る趣旨でしたが、評価される側に立ちながら、1話について考えさせられました。1話についての見解は、評価者への返信でなんか語ったように思いますが、作品全体を読まないと評価できなさそう、難しい企画だなぁと。
なので、今回、今から全部は難しいけれど、旧作、改作ともに読み散らかしています。(pvがへんな感じで増えてると思います)
40万字の大作を書かれて来て、手腕にさらに磨きがかかっているのだと思いました。
改作は整然とした印象を受けます。コンパクトになり、話の展開も早いような。
「第1話上意」は旧作の1、2話に比べ、大人しい印象ですが、それを感じさせない筆運びです。説得力がある。だから読み進められる。
推敲を打ち込んでいて感じたのは、作者さまが長い時間をこの主人公とともに歩んできているせいか、改作の主人公の空気感が1話からすごく馴染んでいることです。作者さまの生理と一致しているのか、とても近しいと感じました。
すると瑞乃さんや、旧作にはいなかったと思われる、もしくは名前が違うだけの同一人物であるご老体は、微妙に距離があると感じました。
展開も主人公が引いている1話の後半は、進みづらい感触がしました。
あくまで書いてる感触で、目で読むぶんには気にならないのです。
その上で、ただただ好みの問題ですが、旧作の稽古とはいえ戦いのあるシーンが生き生きとして惹かれます。話として引きが強いなとも感じました。
整然とした改作の始まり方も良いけれど、戦闘シーン捨てがたし。
改稿をしたためさせて頂いたのは、そのような理由からです。
作者ではないので、0から話を築くことは不可能で、そこにある情報で粘ってみました。
改稿してみると、推敲の時に気になっていたメモは、ほとんどが気にならなくなるという、不思議な矛盾が起きています。蜂蜜さまの文章の勢いが欲しかったようで、推敲した文では足りない!と原文まま放り込んで、また改稿用に季節を合わせたり推敲して。
ええと。長くなりました。
謝り倒してもしきれないので、お礼を。
この度は、御作の胸をかしていただき、ありがとうございました。
独特なリズムというより、最後にどうしても自分で文を加筆しなければならない場面では、この話を書くには「作法」がある、といった心境になりました。
存分に楽しんだことを失礼ながら、お伝えしたいと思います。
ひるい拝
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