第447話 祖母の経過報告

 職業訓練校で祖母の介護について聞かれたので、思い出しました。

 祖母の立ちあがれない、一人でトイレへ行けない問題は、業者さんからレンタルで四つ足の杖と、ベッドの立ち上がり棒を頼んだので解決しました。

 しかし、お風呂は低めの台を湯船にセットして使うので、レンタルというわけにはいかなかった。

 それに、一人で歩けても、紙パンツを脱ぎっぱなしにしてしまうとか、脱いだら脱いだで新しい紙パンツをはかずにズボンをあげてしまうとか、外出先でもそうなので対策が必要。

 今日は、利尿作用のある薬をゆうべ飲んでしまったため、大事な買い物中に一時間ごとにトイレを利用、そして紙パンツの脱ぎ捨てということがありました。

 そもそも薬は朝に飲まないといけない薬でした。

 それを飲み忘れたからといって、母が夜に飲ませてしまったので次の日の今日、じゃんじゃん尿が出て大変だったという話です。

 大事な買い物と言うのは、明日グループホームで使う、上履きと歯磨きセットを買いに行くために祖母を伴わねばならなかった。

 上履きは足にあわないと、転倒の恐れがあるから慎重に。

 そして、母は介護に慣れておらず、以前のようにエスカレーターを利用して靴売り場まで行ったらしく、大変配慮が足りなかったと反省していました。

 学校帰りの車の中で聞いていて、微に入り細に入り説明されたのでうんざりしながら、

「こういう話も、介護慣れしてない今の内だけだよね」

 と言ったら、母は微妙な顔つきをした。

 あ、まてまて、介護が段々大変になるとか、知らないことがまだまだあるとか? 祖母の話になると母は饒舌になるからその可能性はある。

 学校ももうじき終わりだし、こうして車の中で聞いてることもなくなるのかもしれない。

 今日は、家に着いたら部屋の雨戸を祖母が自分で杖をついて歩いて行って閉めた! というのをまるで赤子が初めて立ったかのように話すので、本当に母は祖母が好きなんだなと感じた。

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