第423話 祖母のお風呂

 祖母は昨年の大みそかに、足を怪我した。

 原因は老化によるむくみ。

 医師は薬を処方し、足を高く上げて寝るように指示した。


 で、足が痛むので風呂にもなかなか入らない。

 ちょっと調子のよくなったころを見計らって、風呂に入ってもらったと思ったら、二時間以上も上がってこない。

 母がさすがに驚いて、風呂場を見に行ったら、祖母はぬるくなった湯船にしがみついて、じっとしていたそうな。

 わたくしの想像では、湯がぬるくなってしまい、寒くて上がれないのかなと思った。

 でも母の見立てでは、祖母は足が痛くて立ち上がれなくなっていたらしい。

 どっちにしろ、助けを呼ばないのだから、発見が遅れる。

 困ったものだ。

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