第351話 下半身がついてない。

 というのは、ホラーだったり複雑な理由ではなくて、わたくしの理想の男性には節操ってものがある、という話です。

 えと、まあ。

 初めて男性とお付き合いした時に、下半身がついてることにびっくりしたのです。


 わたくし男性の脳は頭蓋骨の中にあるものと思っていたので、正直ナニソレ!? って感じだったのですけれども、未だもってそんな感じです。

 理想の人には下半身がついてない。

 王子様にもついてない。


 優しい人はずっとずっと優しい人だし、誠実な方はずっとずっと誠実だって信じてる。

 あんまり理想視してくれるなという声もあったのですが、あれは照れてるんでしょうか。

 人品が優れた人に、下半身の事情など「ない」「あるわけがない」というのがわたくしの考えです。


 北方健三さんでもないのに、彼氏が「したい」と言ったら「お風呂へ行ったら」と返した19歳の頃。

 だって、性欲は解消すればすっきりするもんだって本で読んだし。

 すっきりしたいだけの行為の中に恋人の人格は関係がないみたいだったし。


 プライベートパーツに触れられて、組み敷かれた日には首を締めちゃったわ。

 DVになるのかしら? でもわたくしを性的な目で見るから悪いのよ。

 許可もないのに体に触るからむかっ腹がたったの。


 それだけのことよ。

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