第305話 なるほど、むつかしいが悲観はしない。

 あらすじを、ね。

 書く段になったのだよ。

 お友達が、だね。


 下書きを見せてもらった。

 ら、文章がなんだか硬い。

 これは力を抜いたほうがいい。


 ざっくりとしたあらすじを書いて渡す。

「なんだったら、これ使っても(改変しても)いいよー。」と。

 わたくしは長い話を短くするのが得意なのだ。


 それに何回となく通して拝読したので、展開は頭に入っている。

 要点をまとめるのは、小説を書く能力とは異なる。

 だから、いかに面白い小説を書く人でも、あらすじになると要領がわからない、とつまづく人はあるのだ。


 ふふふ。

 緊張することはない。

 もっと、気持ちを柔らかく持つことだ。


 あらすじは、まず作品の目玉を紹介する文章なのだ。

 ここで審査員の心をひきつけねば。

 だから、厳しく見てあげるつもりだし、乗り越えてもらう。


 あなたが信じてくれるのなら、わたくしはどんな力でも出せる。

 軽々しく「うん、よいな」などとは言うまい。

 イヤになるほど頭を使ってもらう。


 しかし、頭を使えば使うほど、あらすじは面白くなるのだ。

 まだまだとりかかったばかりで、硬さはあるが決して悲観するまい。

 させるまい。





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