第266話 ツイッターでしぱい。

2020/07/13/月。


 えーきちさんが、『セイギノミカタの味方』連載につきまして、しつこく何度も読み返しては驚かされてる水木です。

 読み返すたびに「え? この表現、いい。ここ、こんなによかったっけ?」と思ってしまうのです。

 しかしそれは、読者さんの中に熱心な指摘をしてくれる方がいらして、(えーきちさんは校閲と言ってらした気も?)それを受けて、さんざん改稿しているからなのだそうです。


 ツイッターで、彼はぼそりとつぶやきました。

 w(笑いの表現)つきで「毎朝の通学時間のJKに校閲を受けている私ってwww」のようなことを。

 わたくしはDMでちょっと言えば済むことを、ついツイッター上で反応しました。(DMが超苦手)


 彼はわたくしがどう受け止め、反応したかを知らないし、予想もついていなかったのでしょう。

 当たり前です。

 彼とわたくしとでは、いろいろ違いますし、くだんのJKという表現は、わたくしにとっては、見知らぬ業界用語だったからです。


 業界用語って便利ですよね。

 とある人のことを学生、というのも職業差別ではと思うわたくしです。

 学生さんを「女子」であり「高校生」であると一発でわからせてしまうJKという表現が、どうも体質に合わない。

 できれば、そんな性別差別で職業差別のような単語を使いたくない。


 それで、わたくしは言ってしまいました。

「JKっていう表現がアレだな。もはや執行対象」

 と。(ちなみに、執行対象という表現も憶えたてで、使ってみたかったという好奇心も欲もありました)


 彼は「私はおっさんですからww」と返してきました。

 なんと、一つのスレッドで、JKとおっさんという対比が作り上げられてしまったのです。

 とっさに、わたくしはこの対比を作品に生かせないか、考えました。


 水木は基本的に食べ物のことと猫のことと、あとは家族と親族以外は創作のことしか考えていません。

 最近、自分で面白いと思える作品を書けていなかったという自覚もありましたし、ここは食らいつきました。

「JKとおっさんのラブコメが書きたくなった」とリプしたのです。


 しかし、そんなやりとりを例の方にしっかりと観察されていたのです。

 謝罪するえーきちさんに、その方は「えーきちさんから悪意は感じないけれど、『おじさまとJK』……」にくらいついたフォロワー(わたくしですね)さんの言いざまが揶揄にとれた、ということを、なんと作品の応援コメント欄でおっしゃった。

 これはね、絶望ですよ。


 人間関係の崩壊です。

 イヤなことをイヤと言えないほうが不健康です。

 その方の心を思えば、「そんなことを、こんなところで言わないで」というのは勝手で不遜なことです。


 わるいのは、もっと大勢の見ている場所で(ツイッター)嫌いな業界用語を使って、お二人の対比をあわよくば「ネタにしよう」とにおわせてしまったわたくしなのです。

 参りました。

 それならそれで、えーきちさん作品でなく、わたくしに言ってくださったらまだよかった。


 謝罪ができる、その余地が残されている、と感じることができるからです。

 これはわたくし自身の問題であり、気持ちの問題なのですが、くだんの方はえーきちさんに苦情めいた文言を応援コメント欄で言いつけなさった。

 えーきちさんにも申し訳ないし、反論の余地も残されてはいない。


 ただ己の浅はかさを悔やむのみでした。

 逆に言えば、えーきちさんと彼女の間には、JKという業界用語を使っても許されるという関係が出来上がっていたのにも関わらず、第三者であるわたくしが「えーそれ違和感あるー」と気軽に踏み込んでしまった、そこがまず間違いであったし、「対比」を喜ぶ姿は、ひやかしに映っただろうなと思います。


 ああ、残念なわたくしの頭。

 リアルでは決してしない失敗も、ネット上ではしてしまう。

 これは許されない。


 許されないですねえ……。






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