第251話 大河ドラマの信長がいちいち刺さる。

 戦う男の寂しさがよく表れている。

 初回登場シーンでは、なにこの信長!? って感じだったけれども、回を増すごとに魅入られる。

 あの口調が曲者だ。


 とぼけたような、おどすような、独白のような。

 それで光秀に打ち明けるのだ。

 自分は褒められたことがない、家族にも。


 と、言うことで、信長の行動原理は「孤独」との戦いであると推察。

 唯一褒めてくれる帰蝶を悦ばせようと、帰蝶の故郷の美濃をとるという。

 その底には、健気で、いじらしい男の寂しさが眠っているように思う。


 信長が、かわいそうだ。

 涙をさそうではないか。

 とにかく、わたくしの心には信長が刺さる!


 対して、お育ちのよさそうな雰囲気の光秀。

 洞察力に長け、思いやりにみち、人に恵まれて。

 なんなんだ、この差は? えらい違いだ。


 実際は信長の方が良いとこのお坊ちゃんであり、光秀のほうが苦労人なわけだが。

 人の育ちの良さとは、愛されて育ったかどうかだという説もあり、一概に言えない。

 このシナリオ深いなと思った。


 最近憶えた言葉で言うと、対比が効いている。

 本能寺の変で、しょせんドラ息子の甘えじゃと、光秀は断じるのだろうか。

 それとも……相応のラストが待っているに違いない。


 感染症のおかげで『麒麟が来る』は延期になってしまったが、ラストまで観たい。

 主に信長がどうなっていくのかと、光秀がその家臣としてどうふるまうのかを。

 得体のしれない信長に乾杯!






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