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2019年7月5日 09:58 編集済
水木さん、おはようございます。九州や西日本では記録的な雨でしたが、関東は申し訳ないくらい穏やかでしたね。ステロイドについて書かれていらっしゃったので、わたしの実体験を少し書かせていただきます。一番最初にステロイドの怖さを知ったのは、身体中にステロイド軟膏を塗っていたというご老人を診た時です。20年くらいずっと使っていたその方は、熟しすぎた桃の皮のように、少し引っ掻いただけでズルッと皮膚ごと剥けてしまう、薄くて弱い皮膚でした(ステロイドスキンといいます)。次は、ケロイド用の注射剤のステロイド=ケナコルトを、ケロイドから外れて正常な真皮に注入した時の皮膚の菲薄化。一回で真皮が薄くなり、下の毛細血管が透けて見えるようになります。ステロイドは組織の代謝を左右するもので、胎児期の成長に大きな影響を与えるのみならず、成人でも重要な作用を受け持つものだと理解しています。ホルモンというものの中でも、いちばん原始的で、生物にとっては遥か昔から使っていた必要不可欠なもので、1種類のステロイドで多種多様な働きをする、摩訶不思議な物質で、効果が目に見えてわかりやすい。つまり、効く薬なのです。効けば効くほど、使う者の技量が必要なのです。ステロイドで深刻な副作用を生じてしまうのは、医者のレベルが決定的に低いのだと考えます。優れた使用法の実例:1)潰瘍面の状態が良すぎて(きれいで生きのいい肉芽が盛り上がりすぎて)かえって表皮が張ってくれない時に、生きを悪くするステロイド軟膏を1、2回塗布する2)アトピー患者さんに対して、高容量点滴をパルスで短期間だけ使用する3)皮下の繊維塊を摘出する代わりに、濃度を変えながら繊維塊にケナコルトを複数回注入する4)頬の脂肪吸引をする代わりに、濃度を変えながら複数回ケナコルトを注入する5)遊離脂肪移植時や異物注入時の自己免疫性炎症に適度な濃度のステロイド点滴を複数回行う6)靴ズレなどの皮膚炎を伴う皮膚欠損創に、逆にステロイド軟膏を塗る以上のように、上手く使えば有効なのですが、治った後に色素沈着したり(早く治るので色素沈着が普通より目立ってしまう)、使いすぎて逆効果になったりするので、結果として評価が悪いのだと思います。例えば、5)では、細菌やウィルス感染を起こしていない時には有効ですが、一旦感染してからステロイドを使用すると悪化します。感染かそうではないのかを見極められない医者には、ステロイドは使えないことになります。技量が必要なのです。大昔からあるのに、運転が難しいという、いわゆるプロ用のスポーツカーのようなもので、使いこなせない医者が大多数ということなのです。誰もが使えないクスリは不完全だという意見もあります。しかし、医者って国家資格なのです。国の予算を豊富に使って教育を受けて、国試を通って働いて、なのに効く薬を使う技量がなくて、その結果に広く誤解と恐怖を生んでしまうとは、非常に情けない状況です。もちろん、病気を治すのはあくまで身体自身なので、全てのクスリと同様、ステロイドは助けにしかなりません。マラソンで水分補給をするのは助けになるからで、ゴールしないと根本治癒はありません。長文、すみませんでした!せなつPS:その後、お家のことはどうなりましたか?上手く進んでいればと願っています。
作者からの返信
瀬夏ジュンさま、コメントをありがとうございます!この情報量の多さは、正確をきするためなのでしょう。むずかしいところはググりました。要するに、ステロイドってよく効く薬で使いどころを誤ると危険、ということですね。例文を細かくありがとうございます。ステロイドはよく切れる刃物のようなもので、使い手の技量と用法によって、便利にもなるし危険なものにもなるってことです?そして、まだまだトップの使い手は現れない・・・・・・ということ!?!いやー、なんというか。漫画の中の事がいよいよ現実味を帯びて感ぜられます。瀬夏さん、ありがとう!家の事……書きますから、読んでくださる? なにをもってうまく進んでいると言えばいいのか、わかんないんですよ。お読みくださってありがとう存じます!
編集済
水木さん、おはようございます。
九州や西日本では記録的な雨でしたが、関東は申し訳ないくらい穏やかでしたね。
ステロイドについて書かれていらっしゃったので、わたしの実体験を少し書かせていただきます。
一番最初にステロイドの怖さを知ったのは、身体中にステロイド軟膏を塗っていたというご老人を診た時です。
20年くらいずっと使っていたその方は、熟しすぎた桃の皮のように、少し引っ掻いただけでズルッと皮膚ごと剥けてしまう、薄くて弱い皮膚でした(ステロイドスキンといいます)。
次は、ケロイド用の注射剤のステロイド=ケナコルトを、ケロイドから外れて正常な真皮に注入した時の皮膚の菲薄化。
一回で真皮が薄くなり、下の毛細血管が透けて見えるようになります。
ステロイドは組織の代謝を左右するもので、胎児期の成長に大きな影響を与えるのみならず、成人でも重要な作用を受け持つものだと理解しています。
ホルモンというものの中でも、いちばん原始的で、生物にとっては遥か昔から使っていた必要不可欠なもので、1種類のステロイドで多種多様な働きをする、摩訶不思議な物質で、効果が目に見えてわかりやすい。
つまり、効く薬なのです。
効けば効くほど、使う者の技量が必要なのです。
ステロイドで深刻な副作用を生じてしまうのは、医者のレベルが決定的に低いのだと考えます。
優れた使用法の実例:
1)潰瘍面の状態が良すぎて(きれいで生きのいい肉芽が盛り上がりすぎて)かえって表皮が張ってくれない時に、生きを悪くするステロイド軟膏を1、2回塗布する
2)アトピー患者さんに対して、高容量点滴をパルスで短期間だけ使用する
3)皮下の繊維塊を摘出する代わりに、濃度を変えながら繊維塊にケナコルトを複数回注入する
4)頬の脂肪吸引をする代わりに、濃度を変えながら複数回ケナコルトを注入する
5)遊離脂肪移植時や異物注入時の自己免疫性炎症に適度な濃度のステロイド点滴を複数回行う
6)靴ズレなどの皮膚炎を伴う皮膚欠損創に、逆にステロイド軟膏を塗る
以上のように、上手く使えば有効なのですが、治った後に色素沈着したり(早く治るので色素沈着が普通より目立ってしまう)、使いすぎて逆効果になったりするので、結果として評価が悪いのだと思います。
例えば、5)では、細菌やウィルス感染を起こしていない時には有効ですが、一旦感染してからステロイドを使用すると悪化します。
感染かそうではないのかを見極められない医者には、ステロイドは使えないことになります。
技量が必要なのです。
大昔からあるのに、運転が難しいという、いわゆるプロ用のスポーツカーのようなもので、使いこなせない医者が大多数ということなのです。
誰もが使えないクスリは不完全だという意見もあります。
しかし、医者って国家資格なのです。
国の予算を豊富に使って教育を受けて、国試を通って働いて、なのに効く薬を使う技量がなくて、その結果に広く誤解と恐怖を生んでしまうとは、非常に情けない状況です。
もちろん、病気を治すのはあくまで身体自身なので、全てのクスリと同様、ステロイドは助けにしかなりません。
マラソンで水分補給をするのは助けになるからで、ゴールしないと根本治癒はありません。
長文、すみませんでした!
せなつ
PS:その後、お家のことはどうなりましたか?
上手く進んでいればと願っています。
作者からの返信
瀬夏ジュンさま、コメントをありがとうございます!
この情報量の多さは、正確をきするためなのでしょう。むずかしいところはググりました。要するに、ステロイドってよく効く薬で使いどころを誤ると危険、ということですね。
例文を細かくありがとうございます。
ステロイドはよく切れる刃物のようなもので、使い手の技量と用法によって、便利にもなるし危険なものにもなるってことです?
そして、まだまだトップの使い手は現れない・・・・・・ということ!?!
いやー、なんというか。漫画の中の事がいよいよ現実味を帯びて感ぜられます。
瀬夏さん、ありがとう!
家の事……書きますから、読んでくださる? なにをもってうまく進んでいると言えばいいのか、わかんないんですよ。
お読みくださってありがとう存じます!