第41話 しあわせを見つけよう

 ちょっと気が向いたので、古本を読んでみようと思う。

 文脈を整理したら、WEB小説の構成に使えるかもしれない。

 なにはともあれ、おもしろい、と思えるかが肝心なので。

 ちょっと、行ってきます!


 ◇ ◆ ◇ ◆


 おもしろいどころではなかった。

 20年以上前の作品だけど、一巻読んだだけでしんみりきちゃって……。

 初っ端から主人公が「俺ってやっぱり……ジャン・レノに似てるよな……」とか、鏡を見てほざくのでナルシスト君なのかと思ったら、健康オタクで家族を大切にするお父さんだった。

 まあ、健康志向の人はナルシー入ってるという話を聞くけれども、このお父さんはただ事でない経験をしている。

 母親が恋多き女で子供を放ったらかしにするひとだったから、一時期荒れていたけれど、あるとき「あなたの子です」と手紙と子供を置いていかれて。

 警察に届けようと思ったけれど、そうはしなくて。

 自分の子供かと思ったらかわいくなってしまい、育てているうちにその子がアトピー性皮膚炎であるとわかる。

 アトピーとは、原因が不明とされてきた。わたくしの少ない知識によると、アトピーという言葉はギリシャ語で「原因不明」という意味だったかなんだかで。

 もちろん感染する病ではないが、誤解も多く、親は孤立し自分を責めてしまうことがあるようだ。

 この作品にもそれが描かれていて、主人公は自分の食生活が悪かったせいで、子供が身代わりになってしまったと悩む。

 そして、生活を改めて勉強をしまくって教師になって現在にいたる、というお話だった。


 主人公は同じ病の子を持つ女の人に、

「いつかはお互いきっとこの子達の体に合った治療法が見つかるはずです。だから……だからお互い頑張りましょう」って言う。

 20年経った今はどうなのだろうか。

 ググったら漢方系統では、生活態度に気をつけて養生しましょうとかなんとか、書かれていた。

 どうやら、アトピーは免疫系が弱い(主に小児期~思春期あたりに症状が出やすい)ひとのアレルギー反応らしい。

 抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、副腎皮質ステロイドなどが治療に用いられる。


 身近な人々の話では、ステロイドの使用にはよほどの注意が必要であり、使えば使うほど副作用に悩まされるという、強い薬であるということ。

 わたくしもアレルギーになって、弱目のステロイドを処方されたことがあるから、少しわかるのだけれども、処方に従って使用していても、皮膚が破けたり、ボロボロになったりして痛い。

 なるべくなら使用しないで済む方法をとりたい。

 皮膚科で簡単に処方されてしまう事態もこわいことだ。


 こういう重い話を、家族愛の話にしてしまうのだから、漫画家さんてすごいと思う。

 ドラマ化されたらいいのにって思う。

 だけど、医療関係者から非難がくるかもしれないので、まだまだ遠い先のことになるな。

 あー、でも。20年も経ってるんだし、いいんじゃないかとも思うのだけど。

 世間の誤解もとく、いい方法……他にないものかなー。

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