第38話 母の指だこ

 ここのところ、母の足をもんでいるのである。

 母は疲れて、リラックスを求めているとき、ソファに横たわる。

 だから、今日も愛のマッサージ。

 そういえば、愛猫がよく背中から腰、ふくらはぎから足首まで、よくもんでくれた。

 あれは不思議だったけれど、同時にうれしかった。

 しかし、母は強くもむと痛がる。

 デリケートにできている。

 ソフトタッチでいこう。


 どれどれ、と思って手にも触れたら、母、人差し指の根元に小さなタコができている。

 鍋やフライパンを長く使っているせいだろうか。

 痛ましい。


 長生きしてくれ。母。

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