第30話母は悪うない
十一月からの私立高校の非常勤の仕事が九月に募集をかけていた。それを母は引き受けた。正確には母は週三日で働きたいといって登録した。そのE*Staffという会社は週六日の仕事をあっせんしてきたので、母は正直迷っていた。
母は実質週五日で介護施設のパート勤務であるから、そちらとの折り合いをつけるために、いろいろと準備が必要だった。
そしてパートの勤め先に頼み込んで十一月のみ、日にちをあけてもらった。
「え? 十一月は(仕事を)オフにしちゃったんですよ……」
母はびっくりしていた。
なにせ十月二十四日の今日まで連絡の一つもなく、九月に持ってきた話を十月の下旬に連絡してくる、その神経がおかしい。
一体どういう仕事をしているのだ、E*スタッフ!
おかしい。その会社、ブラックだ! と心の声が叫ぶ。ネットでチラッと見たら、私立の教員を採用する、とあった。しかし、その下の方には、同じe*スタッフの名前でそれこそいろんな職種の人材派遣会社が立ち上がってはつぶれていた。一番近い話で2018年10月2日で閉鎖しているのである。
これは詐欺だとわたくしは直感。
ショックを受けている母には悪いが、代わりにと言って、週四日で横浜駅から一時間もする学校をすすめてくるE*スタッフには一切の誠意がないとみた。
だまされるな母! 週三日で働きたい母に週四日働かせたいという罠なのだ! 多分続けていても条件はどんどん悪くなる一方で、相手は母の自信と誇りを砕くつもりだ。
そもそもE*スタッフという会社はレビューもついてなければ、評価も星一つの底辺だ。なにをそんなに当て込んだのだ、母!
確かにHPには教員採用・教員募集のトップブランドとは書いてある。しかしその実態は……(口には出せない……!)だと思えてしかたがないのだ。このHP作ったの誰だ!?
すごく妙な感じだ。
いや、母は悪くない。E*スタッフが悪い。誠意をみせんか~~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます