第8話7SEEDS外伝を読んだ

 7SEEDSは七つの種、と訳せる。

 人類存亡の危機に、大人たちが未来を託して子供たちを冷凍保存して送り出した。

 七人ずつの選ばれし少年少女たちには、大人であるガイドが一人ずつつく。

 チームは春夏秋冬の(夏は優秀・劣等の二チーム)五つ。

 彼らが目覚めたとき、地球はめちゃめちゃになっていて――

 あらゆるエキスパートが活躍する7SEEDSプロジェクト。


 本編が35巻ある。追っかける間、次々と襲い来る展開に胸をドキドキさせて、いちいちハラハラしながら次巻を待った。

 それが、最終巻を経て、その後の彼らを描いた外伝にたどり着いた。

 結論からいおう。

 話のテーマは、五つのチームで唯一、優秀で勇猛で有能な人材を集めたチームから出た、性犯罪者がその罪の重さと、孤独と戦い、未来に成すべきことを見出す物語。

 終着はネタバレになるが――彼らは海の向こうへ旅立つ。

 海といえば、神話の時代、死の国があるといわれた場所だ。

 要するに、性犯罪者とそれを庇うものは死ね、というメッセージになるのかな、と思った。

 少女漫画だし、少女を守らなければね。

 性犯罪者を赦さねばならないか、などということを少女に思わせること自体がひどいことなのだとキャラクターが語っている。

 被害に遭ったヒロインは、性犯罪者の謝罪を受けて、

「殺したいほど憎いとか、謝罪してほしいとも今は思っていない。ただ、怖いんだよ。近寄らないで」

 と本能から拒絶する。

 ただ拒絶したのではない。彼女は高熱を発して心的外傷後ストレス障害であることがわかる。それを見て初めて少女たちは性犯罪の恐ろしさ、哀しさを知る。

 同じ女なのに、ごめんなさい……と。

 謝ったってしょうがないのだ。正直思う。ただ、ヒロインの身になってみれば、事はデリケートだし、大事。一度でもそんなことを許したならば、人は生きてはいけない。

 非常にモラル値の高い人が描いた作品で、わたくしは作者の作品はみんな読んだし、これからも追いかけるつもりでいる。

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