第5話わたしはいい子
わたくしは母が大好きである。
質問をすると、的確に答えてくれる。(いらない情報もあるから、ぐったりするけれど)
母は必要とあらば、面白話をしてくれるし、職場の事情も話してくれる。
そしてわたくしの小説を読んで、あれこれ注意してくれる。
しかし、ほとんどの時間、彼女は無駄口を叩かない。
話すべき時を知るものは、黙すべき時を知る。
これが、彼女に見習いたい部分。
しかし、パソコンが使い方がわからない、といって調理師免許(資格?)のテストでわからなかったところを、
「これ、あってると思う? 調べて」
というのは、案外重たい。
彼女を弁護すると、母は大体、ひとが調理師学校で一年かけて習得していく知識を、二か月間の独学で身に着けた。だから、テストもほとんどギリギリで、うろ覚えで答えたものもあったそうだ。
独学だから、出てきた問題の意図がつかめないこともあり、
「こんなこと、参考書には書いてなかったわ」
と、随分頭を悩ませていた。
「**問当たっていれば、合格なの。で、あと八問が自信ないの」
その気持ちはわかる。
だから引き受けたのだ。
ネックはというと、母はわたくしがカクヨムしてると助けを求めてくる。
そしてわたくしがネットで問題文の肝を探して調べている間、TVを観ている。
重たい。
そお。その信頼が重たい。
わたくしだって、遊びたいのに。
もくもくと調べた。六個、正解しているとわかった。
なんとかギリギリ合格(かもしれない)だ。
テスト前にわたくしが手伝ったところも問題にでてきたんで、そこは完璧だと言っていた。
なんだ。わたくし無能じゃないじゃん。役に立てたじゃん。
心底ほっとすると同時に、体がダルダルになった。
何故だかはわからないが、わたくしもずいぶん遠慮して母に接していたようだ。
まあ、お世話になっているからな。わたくしが手伝えるのは微々たるもんだし。もっと、頼ってくれていいんだぜ? わたくしも学生でいた時期が長いし。
一流大学の出身である母には、遠く及ばないけれど。わたくしも栄養学とか知ることができて面白かったし。楽しんだもの勝ちだよね。
しかし、母、両手が腱鞘炎なんだよね。働けるのかな……。
うん、でも、まあ。がんばったなー、母!
カクヨムの人にも相談に乗ってもらったし、あのときは大変ありがとうございます。感謝にたえません。
ちっとも面白くなくてすみません。
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