この方の作品を読むと、文章に秘められた無限の可能性を感じずにはいられません。是非この美しくも儚い文学的な世界をのぞいてみてほしい。きっとあなたの心を震わせることでしょう。もしこの方の短編集が出版されたら必ず手に入れたい、私はそう思いました。
この作品の最たるテーマはこれだと思いました。人間は臆病な生き物です。手に入れたいと思っていても、「手に入るか分からない」「自分が傷つくかもしれない」と思うと腰が引けてしまい、目の前にある「手に入るもの」に手を伸ばしてしまいがちです。しかし、その「逃げ」ともとれる選択をした時、どのようなことが起こり得るかをこの作品は示してくれています。このジャンルは恋愛ですが、夢とか、仕事とか他の事にも通じる、とても大事なことに気づかせてくれる作品だと思いました。