Conference,1
つまらない小説の主人公は大体突発的かつ予定調和的な出会いしかしない
主人公は目が覚めました
視界が暗い。
意識がはっきりしないせいか、頭がぐらぐらする。
どこだ、、?ここは。
俺はさっき、変な黒髪少女に変な建物に連れてこられて、階段上った先にある扉を開けて、それから・・・。
それからの記憶がない。
もしや、まさか。
本当に。
おれは異世界に来てしまったのか?
ようやく落ち着いてきた意識がまた混乱し始めたとき、かすかに声が聞こえた。
「ねえねえ、私言わなかった?入らせるときはノックさせてから入らせなさいって」
「わたしの脳は完璧に情報を記憶したはず。つまり、椿先生はそれは絶対言ってない」
「私が言ったって言ったんだから言ったんだよ。まったく・・・。大体、どうすんの、これ。こんなこと大学に知られたら私解雇だよ、解雇。路頭に迷う子猫ちゃんになっちゃうよ」
「えっ・・・、わたし、のせい・・・?わたしのせいで椿ちゃん、やめさせられちゃうの・・・?そんな、わたし、そんなつもりじゃ・・・・・・、うぅぅ、うわあぁぁ~~~」
ん?
「あーあ、ほら、依乃莉ちゃん泣いちゃってるじゃないですか~、だめですよ椿先生、そうやって依乃莉ちゃんからかうの」
「大体、子猫ちゃんという表現が間違っている。28歳という年齢は子猫という定義に到底あてはまらない」
「おいユズ。ぶん殴るからそこに直れ」
「教師が生徒に手を挙げるなんてパワハラだ!いたっ!いたたたちょっとシャレにならないこれ!頭をつかむな!大体、いのりもこんなことで泣くなよ!このいくじなしが!!」
「ゆずちゃん、だめよ?そんなこと言っちゃ・・・。うん、よしよし、いのりちゃん元気出して?ね?」
「ううぅぅうう~~~」
「ゆずちゃんじゃない!」
なんかこれ、思ってたのと違うな。
「そうだよ、いのりちゃん。元気出すんだ。なんなら代わりにぼくが罵倒されたかったよ・・・。さあ、どうぞ、アリアさん!!」
「あーそうだな、言い過ぎた、悪かったよ、いのり」
「あれ、完全スルー?・・・っていうか裕子ちゃん、なんで君まで泣いてるの?」
「うっ・・・、ぐすっ・・・。だって、昨日見たドラマの最終回が可哀想すぎて・・・、ううぅう~~~」
「西森・・・一番かわいそうなのはお前の頭だ」
……
なんだこれ。
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