第2話思わぬ拾い物

「……っ、」

 気付くとそこは薄暗い林の中だった


「なにここ……ぇぇ、場所のチョイス悪くないか?」

 いやいや、そんなことはどうでもいい、ここは本当に異世界なのか?


「グワァッッ」


「へ……?」

 あぁ、ここ異世界だわ。…なんでかって?だって俗に言うワイバーンってやつが目の前にいるんだもの


「うっわぁぁぁぁぁ」

 もうそれからは全力疾走。死ぬかも思った…

 いや、もう一回死んでたわ。


「グワァッッ?」


 ……もう一回張り切って走りますかー


「うわぁぁぁぁぁ」

 またもや全力疾走……もうやだ。


 しばらく進むとが人影らしきものが見えた。

「第一村人はっけーん!」


 って、なんか襲われてないか?

 うわぁー、女の子が中年おっさんに襲われてるよ。…そこは魔物でしょうが。


「や、やめてください!」

「…う、うるさい!黙っとけばいいんだよ!」

「ひゃっ!?…や、やめて!」


「ちょーっと失礼!」


「だ、誰だ!?」

「おじさん、こんな風に女の子に手を出すのは良くないんじゃないか?」

「黙れ!こいつが難癖つけて食い物をよこさないからだ!」


 うおっ、血なまこになって剣を振り回してくるよこのおっさん。


「それなら……ッ!!!」

「な、なんだそれはぁ!!何も無いところから剣が…」

「俺のお手製武器って言ったところかな」

「まぁいい、お前は殺すだけだ…おらぁ!」

「えいやっ!」


 ──キィィン──


「な、なんで……」

「え?だってこの剣は《強度増加 中》の効果を付与してあるからな、まともにやっても壊れねぇよ。」

「なんだよそれぇ!」


「大丈夫か?お嬢さ…ん……」

 …や、やばい……何がやばいかって?……それは………この娘めっちゃ美少女だわ。


「あ…や…、ご、ごめん」

「い、いえ」

「……コホン、初めまして、俺は祐一って言うんだが、…大丈夫か?」

「は、はい。初めまして…私はリネです。リネ・シンスヴァースと申します。」

「そうか、リネって言うのかよろしくな!」

「よろしく…?」

「あぁ…実は俺、町への行き方を知らなくてな。出来れば…その…連れて行ってくれないか?」

「そ、そのくらいなら。」


「というか、なんでこんな所であんな事に?」

「…ギルドの者4人とクエストに来たのですが、同行していた者とはぐれてしまい……あんな事に。」

「そ、そうか。」

 クエストか……てことは魔獣とか冒険者とかがいるってことだよな。…冒険者か……やってみたい。


 しばらく雑談でもしながら歩いていると


「着きました!ここがルーロという町です。」

「おぉ、綺麗なところだな。」


 家の造りを見るに地球でいう中世程度だな。アニメでありがちな時代風景。


「今夜は私の家に来ませんか?お父様にもご紹介したくて」


 き、来たのか?ついに俺にもモテ期が…

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異世界転生したからどうせならチート使おう 水上 天 @mizukami_ten

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