8.(わたし) 悪い知らせ
「え?」
わたしは、頭の中が
「おい、そんな話は聞いてないぞ」
おじさんも驚いていた。
「嫌な話は、ついつい先送りしてしまうもんだ……今まで
俺は、ロボットを作るのは、止めたんだ。ジ・エンドさ……」
ナカニシは、
どうして? どうして止めちゃったの? ナカニシ……わたしは問いただそうとした。でも、言葉が出てこない。
「なんで……なんで止めたんだ!」
おじさんは、
「アメリカのロボットベンチャー企業が、
「そんなことを聞いてるんじゃない!」
おじさんは怒鳴った。わたしは、びくっとした。おじさんが怒りの
「俺は! なんで! お前が!
「
ナカニシは平然としていた。わたしたちがこんなに怒ったり、悲しんだりしてるのが、分からないのだろうか?
「だが、
目の前の
間に合うというのは、一級の
おじさんはただ、
「一方、未来の市場は、最も
俺と仲間たちは、自分たちがアイロボット社にもボストンダイナミクス社にもなれない、と結論した。そして、分配できる資産がまだ残ってるうちに、会社を
ナカニシの話は終わった。
長い話だったけど、そのどこにも、ナカニシがなぜ
「なあ、しんちゃん……」
おじさんの声は、暗い地の底から
「お前、日本を出る時言ったよな? 『俺は、戦うロボットを作りたい』って。『
ついには
そのあげくに、止めたのかよ、ロボット……」
おじさんは、それ以上しゃべれなくなってしまい、うつむいた。
おじさんは、それ以上何も言えない。なぜなら、おじさんがナカニシに発した言葉はそのまま、
「ひとことも無い。お前の言うとおりだよ、清治。
俺は
でも、清治や望美が、ここまでショックを受けるとは思ってなかった。済まなかった、お前たちの期待に応えられなくて……」
「それで、これからどうするんだ?」
「次の仕事はある。その点は心配無用だ。今の俺は『ペンテスター』なんだ」
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