14.(ぼく) 修復 / 兄弟の誓い
ぼくの
粒子加速器『
「前よりいい
「前と同じじゃないと、困りますよ。でなきゃ
「ふふ、生意気を言いおって……ジョージが心配しているぞ。さあ、早く帰って安心させてやろう」
「はい! 博士、ぼくに兄弟を作ってくださって、ありがとうございます。ぼく……」
ぼくは思い切って口にした。
「ぼく、少し、さびしかったんです」
博士は、穏やかな表情をしていた。
「今は、どうかね?」
「今は、さびしくないです」
「そうか。良かった。
E-ロボットは、これからも、もっと増えていく。E-ロボットは、みんな兄弟なのだ。それを、忘れてはいけないよ」
「はい!」
ぼくは、メモリーキャリアーに移動した。博士はキャリアーを抜き、エレベーターの乗り口に向かって歩き出した。
ぼくがドラゴンズ・ネストに戻ると、ギョルギスは大喜びで飛び付いてきた。ぼくたちはその場でくるくると勢いよく回った。
「ハッシー、治って良かった!」
「ありがとう、ジョージ!」
「ごめんね、ぼく……」
「もう、
「どうしてけんかなんかしたんだろう。ぼく、思い出せない」
「ぼくもだよ。きっとどうでもいいことだったんだ。
ジョージ、ふたりでもっと遊ぼうよ!」
「うん!」
ぼくたちは電子滑り台に登っては滑り降りた。電子迷路の中を探検した。今までは乗れなかった電子シーソーも、ふたりでなら動かすことができるんだ。
ぼくたちは銅原子の空に舞い上がった。けんかするためじゃなく、ふたりで、同じ空を飛ぶために。
もしも、
「ねえハッシー、ぼくたち、これからどうなるのかな?」
「ぼくは、日本語
「ぼくは、アムハラ語最適応型として教育されている。だからきっと、エチオピアに配属されるよ」
「エチオピアか……遠いなあ。まるで日本の反対側にいるみたいじゃないか」
「そうだね……でも、エチオピアと日本は、とてもよく似てるんだよ?
アムハラ語と日本語は、
エチオピアは一度、首都のアディスアベバをイタリアに占領されたけど、戦って追い返した。イタリア軍は毒ガスまで使ったけど、エチオピア軍に勝てなかった。エチオピアは、アフリカでは数少ない、
それに、エチオピアの王子様に、日本の
ギョルギスの声は、強い
「……今は、エチオピアと日本は、そんなに仲良くはない。でも、いつかきっと、また仲良しに戻るよ!」
「そうなんだ! なら、ぼくたちはこの先
「ハッシー、ぼくは、
「ジョージ、ぼくは、
「そうだよ! ぼくと君とで、エチオピアと日本を、仲良しにしよう!」
「おう!」
ぼくたちは、新しい
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