12.(ぼく) 過去: なぜE-ロボットは作られたのか
ラインハルト・ロイディンガー少年は、
それは彼が、
目の付け所は良かった。が、飛び付くのが早過ぎた。
20世紀
工学者として身を立てることはできたのだから、それで良しと考えれば楽だったろう。しかし、博士の中には不満がくすぶり続けていた。
やがて、パーソナルコンピューターとインターネットの時代がやって来た。1986年、パキスタンのラホールにおいて、世界初のパソコンウィルスとされる『ブレイン』が出現したとき、博士は、目の前が開けたように思った。
電子の世界に、新しい戦場があると。
ロイディンガー博士は、コンピューターサイエンスに
博士は最初のうち、ウィルスやワクチンソフト(当時はセキュリティソフトのことをそう呼んだ)を
電子回路の中で活躍できるロボット。それは、どうしたら作れるのか?
導線や、回路部品の中を移動できるのは、電子だけである。『そのロボット』は、電子だけで構成されなければならない。
しかし、電子は
削って整えられないなら、足して整えればいい。
しかし、宇宙は真空に満ちている。電子が真空
できないのか。電子回路の中で
その時、ひとつの考えが、博士の
アメリカ
DARPAは、軍事科学においてアメリカが世界に
ロイディンガー博士には、何のためらいもなかった。
最先端の科学研究は、どこかしら
そのようなDARPA局員たちも、ロイディンガー博士が
「DARPAハード(困難)と、DARPAナード(馬鹿)は違う!」
会議は
そして、ロイディンガー博士の、人生最大の挑戦が始まった。
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