8.(ぼく) 撤収 / 講評 / 夕焼けの中で
ベル・エアのドアを開け、ナカニシが乗り込んできた。
「ハッシー、
「ハッキング成功。Wi-Fiルーターに対する
オールグリーンです」
「上出来だ。Wi-Fi接続を切れ」
「はい!」
ナカニシはエンジンを掛け、ベル・エアを発進させた。急ぐでもない、ゆるやかな速度で、リンカーン記念館から離れてゆく。さらに北上してから右折し、
ナカニシはベル・エアを路肩に寄せ、ハッキングの仕事道具をスポーツバッグの中にしまった。
「これにて訓練を終了する。E-ブレインとの接続を再開しろ」
「はい……いやっほおおおお! うっひょおおおお!」
「何だいきなり」
「ナカニシ、ぼく、嬉しいんです! 生まれて初めてのハッキングを、大成功させたから!」
「よくやったな。俺も嬉しいぜ」
ナカニシも、ぼくの成功を、喜んでくれた!
「ありがとう、ナカニシ!」
「ハッシーよ、お前は、世界一のハッカーになるんだ。お前ならきっとなれる!」
「はい! ぼく、頑張ります!」
ぼくはハッシュで、ハッシーで、ハッカー……。
ナカニシとぼくは、午後のワシントンDCをドライブした。
コンスティテューション通りを走り抜ける。
「バーミングハムの
「はい」
ぼくはそれを、なぜか
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