6.(ぼく) ハッキングの準備 / リンカーンも知らぬこと
ナカニシは、バックシートに
「このスマートフォン、サブノートパソコン、
いずれの機器も、電源は切られていた。
「これらは、俺たちにとって、トカゲの尻尾の役割をするものだ」
ナカニシは、ノートパソコンとサブノートをイーサネットケーブルで
これから先ぼくがやる事は、外から見れば『浮浪者の購入者情報を記録されたWi-Fiルーターと、サブノートのUNIX系OSがやる事』だ。そこから奥を見渡すことは難しい。
「ハッシー、無駄な用心だと思うか?」
「いいえ。用心に越したことはありません。E-ロボットの存在は
E-ブレインから切り離されたぼくの応答は、
「サイバー軍への
「馬鹿もん!」
ナカニシは
「つまらんことを気にするな! どーんとやれ! 俺はなぁ、お前に、広い世界を見てほしいんだ!」
「冗談だよ、ナカニシ」
ぼくは笑った。
「E-ブレインの助け無しでも、これくらいの冗談は言えるよ」
「こいつ、俺をはめやがって……」
ナカニシは
「
さて、俺は今から、リンカーン大統領のご
ナカニシは『空白のスマートフォン』をポケットに入れた。軽く手を振り、ベル・エアのドアを開け、出て行った。ぼくは、車体の屋根を支えるピラーの一本に
これで、ぼくの仕事準備はすっかり整った。
ナカニシは、青空の下、すっきりと
ワシントンDCは、さわやかな晴天に恵まれ、
実際、素晴らしい見ものなのだ。リンカーン大統領は、野性的な
ぼくはサブノートを、ワシントンDCの
準備OKだ。ぼくはリモコンで、ベル・エアのクラクションを鳴らした。
ナカニシは素早く、『空白のスマートフォン」のデータ通信機能を使って、サブノートにアクセスしてきた。偽物サイトのURLは、事前に打ち合わせ済みだ。
ナカニシがベル・エアの車内で『空白のスマートフォン』の電源を入れなかったのには、理由がある。「ナカニシのノートパソコンや無線ネットワーク接続機器と、同一地点に存在する『空白のスマートフォン』」として、
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