第6話 【コンビニ店員】~俊彦編~

 1人目~4人目までは失敗?し、5人目にようやく、まともなアルバイトが入り、順風満帆と思った矢先に妙なことが起こった。

 数日間、休業し、御祓い?をしたお陰で、妙なことは起こらなくなり、日々の状態に戻りつつあった。

 5人目のアルバイトに戻って貰うよう交渉したが、何かの責任を感じて、かたくなに戻るのを拒んだ。

 一体なにがあったのか、さっぱり分からないが無理強いも出来ないので、仕方なく諦めた。また、再募集をかけたのだが、今回は中々人が集まらない。

 色々な噂が飛び交うせいで、敬遠されているらしい。

そんな折、1人の男性が面接にやって来た!

 初めての男性アルバイトに意気揚々とした店長だったが、男性の顔を見た瞬間に店長のテンションはだだ下がり。

 某有名女子高校の卒業者(6回目w)なのに、何故か、応募者が男性という意味不明な流れ。

 果たして、6人目のアルバイトとは誰なのか?

最凶アルバイター第6話、ご覧ください。


 「いらっしゃいませ~」

 「覇気がないな~君島くん」


 「やる気ゼロですからね」

 「あのねぇ・・・きみ、じゃあ、なんでバイトに来たのかね?」


 「なんとなく」

 「くっ・・・」


  店長はこの男性アルバイト、俊彦に弱みがあった。

(詳細は第1話を参照してください)


そのため今までのアルバイトのように上から目線で強く言えないのであった。


 「しかし、暇な店ですね」

 「うるさいっ!色々あったんだよ!!」


 「評判悪いですもんね、ここ」

 「やかましいわっ!」


 「ほらほら、そんな大声出すとお客さんがびっくりして、ほら、何も買わずに出

 てったし」


 「くっ・・・」


 「きゃあ~♪せんぱ~い!ここでバイトしてるんですか?あたし毎日来ますね~」

 「そうかい、ありがとな」


 「ありがとうございます、だろう?君島くん」


 「カタイこと言うなよ、店長さん、売り上げ第1なんだろう?ふっ・・・」

 「くぅ・・・」


 確かに、こいつが入ってからというもの、女性客が無茶苦茶増えたし、売り上げも倍増だ!


 今までは、女性店員目当ての男性客主体が正反対になって、お店としては良いことなのだが、こいつは俺の言うことをまったく聞かないので、やりにくいったら、ありゃしない!!


 正直、辞めて欲しいのだが、弱みを握られてるので、言うに、言えない事情がある!くっそ~~~!!


 「俊彦先輩♪」

 「ん?なんだ??」


 「(例え知り合いだとしてもだ!なんですか?お客様だろう!と言うだけ無駄な

 ので黙っておく)」


 「このあと、なにか予定とかあるんですかぁ?」

 「ああ、すまない、用事があるんだ」


 「えええ~~~!じゃあ、じゃあ、明日は?」

 「明日も」


 「じゃあ、明後日は?」

 「明後日も」


 「じゃあ、いつなら空いてるんですかぁ?」

 「ふっ・・・そんな先のことまでは、分からないな」


 「きゃあ~~~~~♪【超】b(素*´∀`o敵)d【超】」


 「(な~にが、先のことなんて、分からないな、だ!キザなやつだ、吐き気がす

 る!!)」


 「先輩♪ノド渇いてませんか?あたし奢りますよ~」

 「悪いな、勤務中なんだ」


 「きゃあ~♪カッコイイ~♪」


 「(けっ!心にもないことを言いやがって!さっきまでレジ前で、ガブガブ飲ん

 でただろうが!!)」


 「先輩♪先輩♪」

 「はいはい、ちゃんと並んでくれよ」


 「はぁ~い♪」


 「(しっかし、こんなヤサ男のどこがイイんだ?世の中の女どもは、わけがわか

 らん!)」


 「おお?きみは沢山買ってくれるんだな?」

 「(*≧ω≦)はい!お財布が空になるまでお買い物しちゃいますです!!」


 「嬉しいねぇ」


 「(オイオイ!それは、店が違うんじゃねぇか?)」


 「なによ~あたしだって、全財産をお買い物しちゃいます!」

 「おお?」


 「あたしだって!」

 「なによ~!あたしだってねぇ!!」


 「おいおいおい、ケンカすんなよ?な??」

 「はぁ~い♪」


 「モテモテだな?君島くん」


 「そんなことないですよ、店長には勝てませんよ」


 「嫌味か!(`Д´) ゴルぁ!!」


 「いや、マジですけど?」


 「あっそ・・・で、そろそろ、目的は何か言ってくれ!妹さんのことか?」


 「いや、正直言うと、違う」


 「じゃあ、なにかね?」

 「店長、あんたは、俺に、”ウソ”を言った」


 「くっ・・・(やはり、その件か・・・狙いはなんだ?金か??)」


 「沙耶花は、やはり、バイト中のことは一切言わない、だから直接見に来たわけ

 だ」


 「それで、どうして欲しいんだ?金か??金が欲しいのか?いくらだ!」


 「はあ???金なんか要らん、アンタなんかよりも余程俺のほうが持っている」


 「な、なんだとぅ!?大学生風情がなに言ってやがんだ!!」


 「俺が持ってるカードだ!俺名義だぞ、本物だぞ、分かるよな?」


 「な、なんだ?これは???アメックスに、こ、こ、これは、ブラックカードじゃねぇか!!なんで学生がこんなもん持ってるんだよ!」


 「俺は金に困ってねぇし、もちろん沙耶花も金に困るようなことはないんだよ」


 「(な、なんで、こんなやつが、ブラックカード持ってるんだ?一体何者だ

 よ??)」


 ブラックカードとは戦車も余裕で買えるという大金持ちが所有しているカードのことである。


 別名、ブラックカードで買えないものはこの世にないとさえ言われています。


 「そんな沙耶花が突然、アルバイトすると言い出した」

 「その理由が知りたくて来たんだな?」


 「いや、違う、大方、俺にプレゼントしたいとかそんな内容なのだろう?」

 「知ってたのか」


 「兄妹だからな、そりゃ、分かるさ」


 「じゃあ、なにが聞きたいんだ?」


 「沙耶花がミスをしたから、酷い言い方をしたっていうのが、気に入らなくて

 ね」


 「くっ・・・」

 「状況証拠は聞いている」


 「どんな?」


 「沙耶花がウォークインの仕事をしているとき、目の前に男性客の壁が出来たん

 だってな?」


 「確かに・・・そういう状況だったのを覚えている」


 「沙耶花の身長は低い・・・男性客の壁が出来れば、レジは見えない、違う

 か?」


 「確かに、そうだが・・・扉を開けて、店内を見ればいい」

 「入って間もない人間は、言われたことしかやらない、違うか?」

 「くっ・・・(随分と論理的に言いやがる!)」


 「そんな臨機応変に動ける者など、経験者でもない限りそうはいないんじゃない

 か?」


 「確かに、あのときは、言い過ぎたかもしれん、そのことを本人に謝ればいいん

 だろう?」


 「その謝罪はもうすでに貰ったと本人は言っている」

 「では、何が気に入らないのかね?」


 「ウソを言って俺に救急車を呼ばせたこと、あと沙耶花を追い詰めて、殺そうと

 したことだ!」


 「殺そうなどとは大袈裟な!そもそも心臓病のことを黙って入社したほうが悪い

 だろう!!」


 「確かにな!だが、アンタの説教は行き過ぎていると聞いているが?」

 「私の教育方針は間違ってはいない」


 「そうかい、どうやら、アンタは心底腐ってるようだな」

 「な、なんだとおおおお!??」


 「沙耶花の身体はな?都会じゃ、長く生きられないんだ」

 「え?」


 「15歳までずっとサナトリウムで暮らしてたのさ」

 「え?え??」


 「どうせ長く生きられないのなら、都会で色んなことしてみたいって言って

 な!」


 「うっ・・・」

 「バイトしたいって言ったときも反対したかったが、沙耶花がやりたいなら仕方

 がない」


 「うううっ・・・」

 「やらせてみたら、心臓発作起こして帰って来るわ、何があったか言わないわ

 で・・・」


 「うっ・・・」

 「兄としては気が気じゃねぇよ!心臓に一番悪いのは、”ストレス”だ。知ってんだ

 ろう?」


 「・・・・・・・」


 「バイト先で何されたのか?何があったのか、知りたいのは当然だろう!」

 「・・・・・・・」


 「全部調べたよ、隅々までな!」

 「・・・・・・・」


 「アンタ警察にマークされているんだってな?狂言癖があるんだって??」

 「なっ!?失礼な言い方はやめたまえ!!」


 「オレにウソ言ったのも、そういうところから滲み出てるんだろうよ」

 「失敬な!」


 「あんた、その性格直さないと、そのうち、命落とすぜ?」

 「な、なに?脅迫する気か??」


 「勘違いすんなよ、俺はアンタを見捨てることが出来たのに、助けた男だぜ?」

 「くっ・・・」


 「だが、次に同じことを目撃しても、俺は素通りさせて貰う!」

 「けっ!言ってろ!!そうそう、あんな目に遭ってたまるかっ!」


 「あんたに恨みを持ってる連中は多いと聞いているが?」

 「くっ・・・」


 「しかも、善良な市民を犯人扱いしたんだってな?」

 「な、何故それを?あいつらの知り合いなのか??」


 「直接の知り合いではない」

 「それで、何がしたいんだ?」


 「別に・・・俺はどうもしないさ、アンタの真意が知りたかったのさ」

 「真意?」


 「ああ、無駄だったがね」

 「どういう意味だ?」


 「本当に悪いことをしたって、全く思ってないってことが分かった」

 「くっ・・・(確かに俺は間違ってないと今でも思っている!)」


 「それじゃ、俺は帰るわ、この時間までの給料は募金箱にでも入れておいてく

 れ!」


 「・・・・・・・わかった」


 「じゃあな」


 「あら?もう帰っちゃうの??」

 「ああ、きみは?」


 「いい男が居るって友達に聞いて、隣町からわざわざココに来たのよ」

 「そうなのかい?悪いな、俺、今日でここ辞めたんだよ」


 「そうなの?じゃあ、丁度いいわ、いまから付き合わない?」

 「ふっ・・・そうだな、俺もムシャクシャしてるんで、助かるよ」


 「そう?ふふふ・・・じゃあ、お姉さんがスカっとさせてあげるわよ~ん♪」

 「そいつは楽しみだ、アシはあるのかい?」


 「隣町から来たって言ったでしょ、もちろん、車があるわ」

 「そいつは重畳」


コンビニを出ると・・・・・


 「お兄ちゃん!」

 「げっ!沙耶花っ!!何故ここに?」


 「だあれ?この可愛い娘さんは??彼女さん?」

 「ばっ!違うよ、妹だ!!」


 「あら?妹さん??可愛いわね、お人形さんみたい」

 「貴女こそ、誰?お兄ちゃんの何??」


 「私?これから、貴女のお兄さんとイイことする仲よ☆うふ♪」

 「沙耶花も今からお兄ちゃんとイイことするもん!」


 「はあ???おまえ、なに言ってんの?」

 「お兄ちゃんは、こんなケバイのがいいの?(○`ε´○)プンプン!! 」


 「ケバ・・・この・・・くそガキがっ!黙って聞いてれば・・・(怒)」

 「うるさいよ、ケバケバオバサン!べぇ~~~~だ!!」


 「きぃ~~~!」

 「お、おい!ま、待てよ、俺の妹だ、乱暴はするな!」


 「くぅ・・・早く行きましょう、気分が悪いわ」

 「あ、ああ」


 「待ちなさいよ!」

 「ああ?(怒)」


 「オバサン1人で帰ってよ!お兄ちゃんは置いてって!!」

 「オバサンって言うな!(`Д´) ムキー!」


 「じゃあ、いくつなの?」

 「まだ28よ」


 「オバサンじゃん」

 「(`Д´) ムキー!こ・・・の・・・クソガキがぁ!!!(怒)そういうアンタはい

 くつなのよ!」


 「18歳だけど?」

 「えええ~~~!?小学生じゃないの~~~???」


 「ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 誰が小学生よ、このクソババア!!」

 「な、なんですってぇ~~~!言ったわねぇ!!」


 「ちょ、ふ、二人とも、よせ、こんな往来の通りで、みっともない・・・(汗)」


 「隣町から来てこんな不愉快な目に遭わされるとは、腹が立つわ~~~!」

 「隣町から、わざわざ、男を漁りに来たの?オバサン」


 「オバサン言うなって言ってんでしょうが!(`Д´) ムキー!」

 「だって、名前知らないもん、オバサン」


 「私は、真美子って言うのよ」

 「マ○コ?」


 「ぶっ殺す!!!!!!!!!!」


 「お、おい、沙耶花・・・おまえ、いつから、そんなキャラになった?(滝

 汗)」


 「お兄ちゃん、行こ」

 「行こって、お前、この状態でよく言えるな?状況を収拾してから言ってくれ」


 「待ちなさいよ!」

 「なに?オバサン、まだ何か用?」


 「当たり前でしょ!その人は私と行くんだから、どきなさいっ!」

 「嫌よ、男なら誰でもイイんでしょ?周囲にいっぱい居るわよ、ほら!」


 「私はこの人が良くてわざわざ来たの」

 「オバサンには似合わないので、他を当たってよ」


 「オバサン言うな!真美子よ!!頭悪いわねぇ~18歳のくせに!!!」

 「オバサンよりは、頭いいよ」


 「どこの学校よ?」

 「聖○○女学園の卒業生だけど?」


 「(´゚ω゚):;*.':;ブッ・・・あの、超お嬢様学校の?有名女子高校?」

 「そうだよ、オバサンはどこの学校出てるの?」


 「うっ・・・ど、どこだって、いいでしょ!」

 「そうだね、どこだっていいよ、頭の悪いオバサン!」


 「むっきぃ~~~!!!」

 「そんなに男日照りなの?オバサン」


 「人を盛りのついた猫みたいに言うんじゃないわよ!クソガキ!!」

 「クソガキって言うな~~~!ちゃんとしたレディに向かって!!ムキー!! ヾ

 (`Д´*)ノ 」


 「レディ???ぷっ!ペッタンコじゃないのよ、あははははっ!!」

 「ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


 「まさか、あなた、ロリコン・・・いえ、シスコンじゃないわよね?」

 「冗談言うなよ、しかも、妹だぞ!」


 「血は繫がってないもんね!」

 「え?」


俊彦と真美子は同時に驚いた。


 「結婚も出来るもんね!」

 「本当なの?」


 「え?い、いや、俺たちは戸籍上、兄妹で・・・」

 「血は繫がってません」


 「うっ・・・おまえ、なんで、そのことを???」

 「沙耶花もう18歳だよ?そんなの知ってるに決まってるじゃない!」


 「なっ!?いつからだ?」

 「都会に出て来てすぐくらい?」


 「なんだとぉおおお!!???」

 「ということで、お兄ちゃんは、あたしのものです!」


 「はあ???なに言ってんの?戸籍上は兄妹なんでしょ!」


 「頭悪いな~血縁じゃないんだから、結婚は出来るの!!」

 「お兄さんがアンタを妹としか見てないって意味よ!」


 「l-_-l_ _l-_-l_ _l ウムウム」


 「お兄ちゃん!なに、ケバ子の言ってることに頷いてるの!!」

 「うっ・・・すまん」


 「ケバ子って言うな!(`Д´) ムキー!」

 「じゃあ、スブタ?」


 「それを言うなら、スベタでしょ!」

 「あ、認めるんだね~ぷぷっ!」


 「むっきぃ~~~!もう、頭来たっ!!」


むんずっ!(沙耶花の腕を掴む真美子)


 「痛ったあい!」


 「お、おい、妹に乱暴するなって!!」


 「すぅ―――――!(大きく息を吸う沙耶花)」


 「ん?」


 「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!(悲鳴)」


 「な、なになになに!???」


真美子はたじろぐ。


 「タスケテぇええええええええええええええええええええ!!!!!(悲鳴)」


「なんだなんだ?事件か?」


周囲の男性たちが、ざわつく。


 「ど、どうしました?」


近くを警邏中の警察官が駆けつけてきた。


 「な、なんで警察官が?」


真美子はびっくりしている。


 「おまわりさ~~~ん!このオバサンが!オバサンが沙耶花に乱暴するの~~

 ~!!!助けてくださいっ!。・゚・えぇ─(o≧д≦o)─ん・゚・。」


 「本当かね?近くで見てた人居ますかぁ?」

 「あ、はい、私、見てました」

 「あ、俺も見てました」

 「あ、俺もです」


 「目撃者多数だな、こんな小さい子に乱暴するとは、信じられない極悪非道なや

 つめ~~~!」


 「い、いえ、ち、違いますって、私はただ、この子のお兄さんと・・・それに、

 その子は18歳で見た目に騙されないでよ!どう見ても泣きマネだってわかるで

 しょ~~~!!!これだから、男は単純で嫌なのよ~」


 「本官を愚弄する気か、貴様~~~!!!」

警察官が激高した。


 「お兄さん?」

もう1人の警察官が言った。


 「はい、そうですが」

 「こちらの女性はお知り合いですか?」


 「いえ、さっき、会ったばかりですけど?」

 「決まりだな」


 「な、なにが?」

 「お前を逮捕する」


 「なっ!?なんでよ~~~!!!」

 「お兄ちゃ~ん、怖かったよぅ!。・゚・えぇ─(o≧д≦o)─ん・゚・。」


 「お兄さん、妹さんをしっかり抱いてて下さいよ?」

 「え、ええ」


 「両手を出して」

 「じょ、冗談じゃないわ、私なにもしてないわ、ちょっと、あなたからも言って

 よ」


 「なにを言うんだ?さっき会ったばかりなのは事実だろう??」

 「そ、そうだけど、これじゃあ、私、犯人みたいになってるじゃないの!」


 「警察行って、事情を説明すれば大丈夫だろう?」

 「じゃあ、あなたも一緒に行ってくれるのよね?」


 「おまわりさん、事情聴取はあるんですよね?」

 「ああ、もちろん」


 「だとさ」

 「そ、それなら、い、行きましょう」


 「お前はパトカーに乗るんだよ、手錠するから手を出しなさい」

 「嫌よ」


 「なに?」

 「任意でしょ?」


 「逮捕だと言っただろ!」


 「ちょ、冗談じゃないわ、やっぱり、私、行かない!」


 「あ、こら、待て!逃げると罪が重くなるぞ~~~!!」

 「何の罪よ、何もしてないって言ってるでしょ~~~!」


声がだんだんと遠ざかっていく。


 「あ、きみたち、あとで、警察署に来てください」

 「あ、はい、わかりました」


 「良かったね、お嬢ちゃん、お兄さんが助けてくれて」

 「うん、エヘヘ♪おまわりさんも、ありがと☆」

 「おお~!お礼が言えて偉いねぇ・・・お嬢ちゃん、いくつ?10歳くらいか

 な??」


 「18歳」

 「はあ???」


 「18歳です」

 「はあ?????」


 「ぅえっ・・・」


 「助かって、気が動転してるのかなぁ?」

 「そ、そうなんですよ!おまわりさん!!」


 「そうだな、怖い目に遭ったんだもんな、仕方ないよな」

 「沙耶花18歳だもん!このまえ、高校卒業したんだもん!!」


 「はいはい、お嬢ちゃん、そういう夢を見たのかい?」


 「違うもん!おまわりさんのバカぁ!!ゥゎ━。゚(゚´Д`*゚)゚。━ン!!」

 「やれやれ、お兄さんも大変ですな?」

 「え、ええ、まぁ・・・ははは・・・(苦笑)」


 「それじゃあ、本官はこれで失礼しますよ、お嬢ちゃん、またねぇ~♪」


可愛く手を振ってみせる警察官。


 「子ども扱いしないでよ!ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


 「ああ、ごめんよ、お嬢ちゃん」


警察官はニッコリしながらパトカーに乗ろうとしたとき・・・


 「くたばれ、クソジジイ!ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


警察官がパトカーから降りて近づいて来た。


 「もしもし?いま、なんて言ったのかな??お兄さん」


 「い、いや、き、気のせいですよ?な、なぁ?沙耶花、なにも言ってないよな?

 な??」


 「お嬢ちゃん、そういう汚い言葉は、お兄さんから教わったのかい?」

 「ウ・・ ウン(・д・`;) そうなの」


 「さ、沙耶花・・・おまえ!」


 「お兄さん、ちょっと、警察署行こうか・・・さぁ、乗って!」

 「いや、ちょっと待ってくれよ、あとでちゃんと警察署へ行くから!」


 「保護者責任っていうの知ってるよね?」

 「いや、もちろん、知ってるけど、これ何の罪なんだよ!」


 「まぁ、いいからさ、あんないたいけな少女に18歳とかうそ言う子に育て

 ちゃ、ダメじゃないか!」


 「いや、18歳なのは、本当なんだよ、それにさっきの言葉は俺が教えたんじゃ

 ないし!」


 「はいはい、言い訳は署で聞くよ、ほら、乗りなさい」

 「お、おい、沙耶花、おまえ、覚えてろよ~~~!」


 「お兄ちゃんが悪いんだよ!あんなケバ子とどっか行こうとするから!!」

 「ねぇ?沙耶花ちゃん、久しぶり」


 「あ、前に来ていた、コンビニのお客さん?」

 「そうだよ、沙耶花ちゃん、来なくなってから、俺たちも行かなかったんだけど

 ね」


 「そ、そうなの?」


 「今日はたまたま、仕事の帰りに近くを通ったからさ!」

 「そしたら、沙耶花ちゃんの姿見つけて、走って来たら、変なやつに襲われてた

 から!」


 「ありがとう、お兄さんたち、沙耶花のために、駆けつけてくれたんだね」

 「ああ、もちろんだよ」


 「じゃあ、お礼しないとね♪」

 「おお!」


 「ファミレスでいい?」

 「いいとも!」


めでたし、めでたし?


 


その頃・・・警察署内では?


 「だから、何度も言ってるようにだな?沙耶花は小学生に見えるが18歳なんだ

 よ!」


 「はいはい、お兄さん、疲れてるのかい?」


 「だあああ!!!もうっ、戸籍調べてくれよ!」


 「なに~?戸籍上も18歳と偽っているのか?」


 「ちっが~~~う!!!あ~もうっ!沙耶花め~~~!!!」


 「こらこら!妹さんのせいにするんじゃない!駄目なお兄さんだなぁ・・・今日

 は帰さないよ」


 「なんでだ~~~~~~~~~~!!!!!」




署内・別の取調室


 「だ~か~ら~私は、あの子のお兄さんを逆ナンしただけだって言ってるでしょ

 ~~~!ちゃんと調べなさいよ!!」


 「で、拒否られた腹いせに妹さんに暴行したんだな?」


 「ちっが~~~~~う!!!><」


 「全く、いい大人がみっともないマネしやがって~!」


 「あの男性に聞いてよ!」


 「いま、別室で取り調べ中だよ、妹さんに悪影響を与えた兄に注意している!」


 「ええっ!?」


 「とにかく、キミもあの子のお兄さんも今日は、留置場だな」


 「な、なんでよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」

                                                                      完


最凶アルバイター現る!

最終話 【コンビニ店員】~玲奈編~へつづく。


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