第10話 己等と師匠


己等と師匠の出会いは、ご主人様の仕事が関係していたのだ。


ご主人様の部下になった男には、雑種犬の初老犬がいた。


その雑種犬の名前はタスケと言う!


タスケのご主人様は、日本人とイギリス人のハーフで、数カ国語を話せる

マルチリンガルだった。


己等のご主人と老犬の死んだご主人現飼い主の父親は、大学の同期で

仲が良かったそうだ!


師匠のご主人が他界したので、息子の下で飼われていた。


現主人の息子は、何でも考古学者をする傍らで、保険のオプなどもしていたとか?

そして軍隊経験もあったそうだ!


そんな師匠の現主人から、鍛えられたのがタスケ師匠である!


師匠と己等は、共に世界中を冒険をして色々と教わった!


人間の軍隊の事も、良く師匠は知っていた!


犬って言うのは、人間の言葉をある程度は、理解をしているのだ!


タスケ師匠のご主人は准教授だったのに、幅広い知識を持っていた。


そのご主人様から、師匠は色々な知識を学び、己等に教えてくれたのである。


准教授曰く、ブサイクな駄目犬なタスケにも特技がある!


その特技も己等は、師匠から教えてもらった。


遠くの音の聞き分け方とか、何の音なのかとかだ。


師匠は、ブサイクでも駄目犬でもない!


己等に取っては、凄いイケメンでカッコイイ犬だ。


知識は力なり!これが師匠の口癖だったが、己等には師匠ほど知識はない!


それでも、己等は師匠に追いつきたくて努力をしてきた積りだ。


戦闘訓練も何度も師匠とした。


師匠って重たいから、持ち上げられないんだよな!


己等の倍の体重はあっただろうか?


横に広いのが師匠だった。


師匠の首に噛み付いて、投げ飛ばそうとしても重くて動かなかった。


己等が首に噛み付いたままで居ると、師匠は己等に体重を乗せてきて押しつぶすのだ!


毎回、それで師匠に格闘戦で負けた。


あの時は、師匠と毎日過ごせて楽しかったな!


師匠は何をしてるんだろう?


己等が殺された時は、別の現場に行っていたから消息は解らない!


元気にしてると好いな。


師匠!己等は師匠から習った知識で、今日も生きて行きます。


見守っていて下さい。



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