第8話 新兵歓迎委員会!


コンラーディン大佐は、新兵訓練の見直しの依頼を己等に任せた

事は、間違いではなかったと語っていた。


己等が依頼を受けてから、半月が過ぎていたのだが、新兵達の

顔つきも最初の時より、凄く引き締まって来ていた。


依頼の期間は1ヵ月間だったので、もう半月は実戦訓練をする予定である

どれだけの、新兵達が生き残れるだろうか、今から楽しみである!


今回の実戦訓練は、街から3日離れた場所から、中隊単位での行軍である

もしも危険になったら、中隊に同行している監視官に言えばよい。


そうすればフル装備の監視官達が、危険を排除してくれるからだ。

その場合は、その中隊は失格である!


失格した中隊は、再度の実戦訓練の、遣り直しをしなければならない!

それが嫌ならば、死ぬ気で1発合格をしろと伝えてある!


中隊を奇襲する部隊には、ベテラン兵達で組織された大隊が、待ち構えている

先輩達の有難い、歓迎パーティーを新兵達は、涙して喜ぶ事だろう!


喜んで貰わないと困る!非常に困るのだよ!


何故ならば、己等は簡単にクリアされると詰らない、鍛えがいが無いからだ。


ベテラン部隊だけの、襲撃がある訳ではない。


森の魔獣や害獣などからも、新兵達は身を守らなければならない!


前もって己等とベテラン兵達で、数日前から魔獣などの駆除は遣っていた。

だから魔獣の出現する数は、少なくて済む予定である。


世の中には、不足の事態ってのは良くある話だ!


そんな時の為に、中隊にフル装備の兵隊を随行させている。


己等にエリーヌにニネットは、サポート班なので、あっちこっちに

飛び回る予定であった。


半月の内に新兵達の、野外行軍訓練を終らせれば良かったので、急ぐ必要も

無かったのだった。


3日間で、3中隊程を護衛してれば良い。


それを9日間続けたら、終りであったのだ!


残りの日数は、落第した中隊の再訓練に当てる!


二度目に落ちた中隊は、評価に値しないから、実戦部隊から後方部隊に移動だ!


そうして、行軍訓練が開始された。


1日目は何も起きず、2日目の夜から夜襲のプレゼントが、新兵達に手渡された。


襲うと見せかけて襲わず。


襲わないと見せかけて襲う!


明け方の夜襲が、一番新兵を驚かさせたかもしれない。


明け方のプレゼントは、己等が1人で中隊の新兵達にプレゼントを届けてやった。

新兵達は泣いて喜んでくれたよ。


己等の顔が恐かったのか、それともビビリだったのかは、知らないが泣いて喜んだのである!


そして、3日目の昼過ぎには、ベテラン兵達の大規模な奇襲である。


全方位された状態からの脱出劇、この状態で以下に冷静な判断ができるか?


全方位される前に、斥候でも出して情報収集を心がければ、包囲されずに済むのだが、それは中隊指揮官の裁量に任せている。


斥候を出して、難を逃れた中隊は楽が出来るが、それをしない中隊には、ご褒美用意されている。


ご褒美を貰った中隊は、自力で活路を探すしかなく、それを謝ると全滅する。


己等も鬼ではないから、方位が薄い箇所を作っている。


此れすらも、判断できない中隊は、再度の行軍訓練が必要だ。


地形も待ち伏せに適している、地形を選んだし、あからさまに怪しい待ち伏せも

していたのに、引っ掛る中隊が数個あった。


そうして4個中隊が、再度の行軍訓練をするハメになった。


一回目で合格した中隊は、今度は襲う側に回り、何処で襲うかを考えさせた!


襲われる側の考えと、襲う側の考えが解る様になる為だ。


合格したからと言って、楽が出来る訳ではない!


我々歓迎委員会に、ようこそ新兵諸君!


さぁ~己等と一緒になって、Let's partyだ!


こうして楽しい、歓迎委員会が軍の駐屯地に根付いてのである!


毎年、新兵達に新しい、パーティーを考える喜びも楽しみの1つだ!


教官達の嬉しそうな顔と言ったら、子供の様な純粋な笑顔の中に

大人のドロドロな部分が混ざって、妖しさを醸し出している!


自分達が遣られた事を他の奴にも、味合わせて遣りたいのだろうか?


それとも、先輩達の優しさなのか?


己等には解らないし、解りたくもない!


こうして己等に、依頼されていた仕事は、何事もなく無事に終りを迎えた!


報酬額も中々の額である!


金貨1枚だから、1万ベルクの収入だった!


依頼の最中の、食事に宿は全て軍が持ってくれたし。


軍の仕事は美味過ぎる!


コンラーディン大佐に頼んで、他の駐屯地でも依頼が無いか聞いてみよう!


期間は2ヶ月位でも好いな!



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