第7話 駐屯地でパーティーです!


低級害獣駆除も何回受けた事だろうか?20~30回は同じ依頼を

こなした気がする。


その回もあり、エリーヌもニネットも基礎体力が向上している

体力と瞬発力と持久力この3つは、冒険に欠かせない要素だ。


後の要素は、現場で培われる経験なのだが、まだまだ危ない現場

には連れて行けないだろうな!


今の状態では、直ぐに魔獣とやらに襲われて、お陀仏に為りかねない!


此の街で、もっと基礎体力を付けてから、他の街に移っても遅くはない

から焦らずに、体力上げをして行けば良いのである。


そうして今回の依頼者は、何故か軍のお偉いさんなのである?

依頼内容はと言うと、軍の新人教育課程の見直しを手伝って欲しいとの依頼だ


お偉いさん直々の、ご指名での依頼など冒険者ギルドでも、珍しかった!


お偉いさんに己等の、依頼遂行時の姿が目に止まったとかでの、ご指名の依頼

だった。


街の郊外で、あれだけ派手に特訓をしていれば、嫌でも目に入る光景であった

から、不思議ではない!


己等の特訓内容が、気に入るとは軍の偉い人も、中々の逸材であろう?


もしかすると、己等と考え方が一緒なのかも知れない?


そう言う訳で、軍の駐屯地に赴く事になったのである。




......................................................




{街の軍の駐屯地にて}


駐屯地のトップは、コンラーディン大佐と言う人物だった!


このコンラーディン大佐は、己等と気が合いそうな位、考え方が

似ていたのである!


大佐に言わせると、「最近の兵士は危機意識が足りない」等と

仰っていたから、その考え方は理解できる!


危機意識!


この言葉に隠された、意味を知る事は難しいからだ。


平和が続くと人間は、頭の中がボケるから仕方が無い!


戦場なり探検なり経験した者でないと、この意識は理解できないだろう


此のコンラーディン大佐は、実戦経験があるのかも知れない?


隣国ではないが、侵略国家が近くで、暗躍しているのだから経験が無くても

注意する人間なら、少なくとも居るであろう。


それも、国境から一番近くて、大きな街は此処しか無いからである。


国境の各部隊には、此処から兵士が赴いている。


敵国が侵入してきたりしたら、此処が前線司令部になる様に作られていた。


此の国の偉い人も、馬鹿では無さそうだ。


少しは知恵がある人間も居る、それだけなのかも知れないが?


己等には、余り関係ないから、放置していても問題は無い!


だって.....此の国の国民ではないのだから!


知りません!


依頼の内容は、新兵訓練の見直しと聞いている!


それさえ終れば、己等は軍とは無関係なのだから、そこまで親身に

なって、あれこれ教える義務はない!


大佐から、新兵を鍛える前に、訓練教官にお手本を見せて欲しい

そう言われた。


お手本か......それならば、エリーヌとニネットの2人に、お手本を

見せてもらおうではないか!




走れ!走れ!何を遣っている?


そんなに休憩したいのならば、死んで休憩してこい!


もっと早く走れ!お前達はグズだぁ!


そんなに遅かったら、子供に追いつかれるぞ?


飛べ!力の限り飛べ!


身体を低くして、つくばれ!


這って進め!もっと早く!


この馬鹿者が!そんなに死にたいのか?


死にたいのなら、1人で勝手に死んで来い!


他の者に迷惑を掛けるな!


早く此の壁を上れ!


遅い!遅すぎるわ!


おそぃ――――




己等の訓練の様子を見ていた、教育教官達は驚いた顔をしていた。


それはそうだろう、今までの訓練方法とは違い!


罵声に魔法攻撃など、実際の戦場さながらの訓練だった。


魔法攻撃は、コースの脇で発動させているので、危険は少ない!


少ないだけで、コースから外れれば、危険であった。


この教官達の、今までの教え方とは、如何なる遣り方だったのか?


不思議でならなかった!


此の教官達の訓練を見てみたい!


そう思ったので、教官達の訓練の様子を見てみる事にした。


そうすると、訓練生はコースを走ってるだけだ、これを訓練ではない

ただのアスレチックでしかなかった。


己等が教官達の訓練を途中から、変わって差しあげようかな!


そうすれば、訓練生は泣いて喜ぶはずだ。


いや!喜ぶだろう!


ニネット!エリーヌ!アイツ等に渇を入れて遣れ!


≪了解です!≫


2人の返事の後には、楽しいパーティーの音が鳴り響いた!


エリーヌとニネットも、解って来ているな!


危機意識と言う物がな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る