第5話 鬼軍曹・葉月!


デュリンケン帝国の追ってから逃げる為に、ルクゼンフルグ国に逃げ込んだ

エリーヌ姫とニネットは、ほっと一息着いていた。何を呑気に休んでいるのか?

追っ手が掛かってる以上は、遠くに逃げないと命が危ないのだから、もっと遠くに

逃げないと駄目だろうに、こんな場所で休んでる暇なんって無いのである!


己等が若い時には、他の冒険探索犬を叫んで行軍をしていたと言うのに、何とも

その時と比べたら、ピクニックと変わらないではないか!己等達は追われているのだぞ、その自覚が足りなさ過ぎる。ルクゼンフルグの国境から一番近い大きな街まで行ったら、特訓をするしかないな!


己等の特訓に着いて来れるか、そんな心配は無用だ!着いて来れないのなら死ぬだけだからだ。本当に死んで欲しい訳では無いのだが、その位の自覚を養って欲しい

と言ってるだけだ。危機管理意識それが、此の2人が覚えるまで特訓は続けるぞ!


己等は、遣ると言ったら遣る!そんな有言実行を今までして来たのだから、するのである!泣こうが喚こうが、己等は知らない!関係ない!2人が生き残るためだ!

非常時なので、2人には我慢して貰おうかな!


それから一週間程経った時に、ようやく大きな街まで辿り着いたのである。

ルクゼンフルグ国で、3番目に大きな街ディフェルタンジュ、人口は10万人で

軍の駐屯地もあり、街の防備も高い壁に囲まれているので、安全であるのだ。

商業も盛んで、工業製品などの流通も盛んである。


冒険者ギルド・魔法ギルド・職人ギルド・その他のギルドなども揃っているのだ。

己等達が最初に目指したのは、冒険者ギルドなのだ、このギルドでは己等の登録を

済ませないと悪いみたいである。何故ならば己等は、大きな犬の姿だったからだ。


こんな大きな犬の姿で、街中を歩いていたら、直ぐにでも衛兵が飛んでくる!

そうならない為にも、冒険者ギルドで己等は、登録するのである冒険者としてな。

己等も、遂に冒険者デビューを飾るのから、少し興奮気味だったのだ。


冒険探索犬が、冒険者になる何ってカッコイイよ!喜ぶ己等の尻尾は振り切れんばかりにフリフリしている。




......................................................




{冒険者ギルドにて}


【Gランク冒険者のエリーヌ様ですね!】


『はい!今日は使役妖精の登録に来ました。』


【此方の書類にサインと使役妖精の種族を書いてください。】


「はい!使役妖精の名前は、葉月で、種族名は、クー・シー族と」


『ニネットありがとう!』


「エリーヌ様!これ位は当然です!」


【此方で宜しいですか?】


「はい!此れで間違いありません!」


【では登録させてもらいますね!】


「はい!」


【お待たせしました!此れで登録が完了しました。】


『ありがとうございました。』


「さぁ~エリーヌ様!帰りましょう。」


『そうね!帰りましょうか。』



あれれ?何かおかしくない?己等は冒険者に登録しに着たのに、何故か使役妖精の

登録されてるんだけど.....なんで?えっ?why?


お嬢さんお嬢さん!おかしいよね?何かが、おかしいよね?よぉ~く考えて欲しい

己等が使役妖精って何でかな?理由を教えてもらおうか?

己等は、君達の先生なんだよ?解ってるの?


己等の不満に答えるように、エリーカが説明しだしたのである。



『貴方は、人の姿になれないでしょ?文字を書く事が出来ない!』


でも!喋れるぞ!代筆と言う手もある!


『仕方ないわよ!冒険者ギルドで決まってるのだから!』


えぇ~~~~~~~~~~~~!?


『登録できるのは、人の姿である事が最低条件なの!

         その次に人語が喋れるとか意思疎通が出来るとかあるわ!』


そうなの?己等の期待した気持ちはどうなるの?


『そんなの、私は知らないわ!』


貴様ぁ~こうしてやる!こうだ!こうが好いのか?


『尻尾で叩かないでよ!痛い.....痛いよ.....』


「葉月!姫様に八つ当たりは止めろ!」


お前も、こうだ!


「痛い.....足で踏まないで.....」



葉月の八つ当たりは、それから30分間程、続いたのである!そして葉月は

めでたく、エリーヌの使役妖精として登録が完了した!



宿屋を決めようか!


「お金も無くなって来たから、安い宿にしか泊まれないです。」


『それで良いわよ!明日は冒険者ギルドで、依頼をして稼ぎましょう!』


ランクGで受けれる依頼は、どんなのがあるのだ?


「街の巡回警備・酒場の護衛・商人の護衛〔お店限定〕低級害獣の駆除」


どれが一番、依頼料が高いんだ?


「低級害獣の駆除かな?」


害獣ってのは、どんなの何だ?


「サルとか野鳥とか野犬などだ!」


簡単そうだな?


「魔獣ではないからな?」


害獣ではなく魔獣って何だ?


「魔力を持ってる獣の事だぞ!」


魔力を持ってるから、魔獣って呼ばれてるのか?


「そう言う事だな!」


明日は、低級害獣駆除を受けよう!


「エリーヌ様!それで好いでしょうか?」


『うむ!それで好いわよ!』


明日は冒険者ギルドで依頼をするぞ!




......................................................




{冒険者ギルドにて}


「この低級害獣駆除を受けてまいります。」


『うむ!ニネットに全て任せたわ!』


期限は何日なんだ?


「一週間以内に、街の周辺の害獣を駆除しろとある!」


何匹でも良いのか?


「そうだ!狩れるだけ狩れば良い!」


それでは、目的地に行くぞ!




{街の外にて}



此の周辺で良いのか?


「たぶんな?」


よし!それでは、害獣が出てくるまで走れ!


『何でよ?嫌よ走る何って!』


「姫様も嫌がっている!」


煩い!己等が走れと言ったら、走れば良いんだよ!


「横暴だな!」


口で言っても、解らないようならば、こうしてやるよ。



葉月はそう言うと、エリーヌの服を引き裂いたのである!ニネットも此れには

驚いたのか声にならない!すぐさまエリーヌの手を引いて走り出していた!



おらぁ~おらぁ~ちんたら走ってるんじゃない!もっと全速力で走れ!


「そんな事を言っても、もう疲れて走れないぞ!」


『ニネット.....水を頂戴.....』


水何って、まだ早い!もっと走れ!


「姫様!早くしないと葉月が来ます!」


『ニネット待ってよ!私の服が破れてしまうわよ!』


「姫様すいません!私の服はお気に入りなので、破られる訳には行かないのです」


『私の服何って、もうビリビリなのよ!』


お姫様よ!早くしないと下着が見えるぞ?


『助けてぇ~ニネット!』


ニネット!目の前に野犬だぁ!斬り捨てろ!


「えっ!?うわぁ~~~!」


『ニネット逃げたらだめよ!』


この馬鹿者めが!ふん!


キャイン.....


もっと走れ!そんな事では、野良犬にも勝てんぞ!


≪もう服がボロボロよ!≫



こうして2人の洋服は、葉月によってビリビリに切り裂かれたのだった!

その後に、街に戻る時には、毛布で包まった2人が目撃されていた。

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