第3話 アールブヘイム


葉月の頭の毛は薄いのよ!止めてあげてよ!葉月の悲痛の叫びがこだまする!

それでも、ニネットの攻撃は葉月の頭に集中していた!敵の弱点を攻撃する

のは、冒険者として当たり前であったからである。


ニネットは冒険者なのである!正確に言うと、妖精術士の使役妖精と位置付け

されるのだが、完全な人の姿になれるので、冒険者としても登録をしていた。

職業は魔法剣士である!精霊と妖精の世界・アールブヘイムでは、普通の職業

である!他に精霊術士・妖精術士などの職業もある。


この世界では、魔法と剣が全てである。魔法が使えない者等いないに等しかった!

そんな世界で魔法が使えない者は、死ぬだけの運命でしかない。死にたくないのなら魔法を覚えるしかないのである!


葉月は格闘戦では勝っているが、魔法戦では物凄く弱い!幼稚園児と高校生の喧嘩

位の差があるのだ!その差を埋めるのは、どうすれば良いのか?


肉体強化魔法を使うか、魔法遮断を使うか、魔法無効などを使うしかない!

魔法を弾くか、防ぐかしか手段がないのである!


降伏も認めて貰えない状況の葉月さん、もう潔く死ぬしか道は残されてないのか?

だが葉月は、諦めてなかったのである!そう逆ギレ!逆ギレである



己等の頭の毛は、燃やしていい物じゃないんだよぉ!


「犬の分際でほざくな!さっさと死ぬがいいわぁ!」


そうそう火が当たるわけ無いだろう!


「くっ!ちょっこまかと!うっとおしい」


おっと!それ以上動かない方が良いぞ!


「姫様!何時の間に?」


お前が調子に乗って、ポンポン火を出してた時に動き回っただけだ!


「あの時に場所を動いたからか!」


戦ってる自分の場所は、正確に把握しとけよな?


「何が望みなのだ?」


己等を召還したとか言ったけど、召還した訳を言えよ!


「良かろう.....話が長くなるが良いのか?」


くどい!早く言え!


「解った!言うから姫様に牙を剝くな!」




......................................................




{ニネットの説明}


姫様が5歳の時に私と契約を結んだのだ!それからと言うもの姫様は、

めきめきと妖精術士としての力を付けていった。それから月日が過ぎ

ある時に、隣国の国が攻めてきたのだ!国は荒され、民は殺された!

国王様の一族もことごとく捕まり、処刑されたのだ。


姫様の家は、代々この国に仕えた家柄でな!名門の家柄と言うやつだ。

侯爵家の姫様だったのだが、今では隠れながら逃げるだけなのだ。

捕まれば、姫様も処刑されてしまう!


だから、使役妖精を増やして姫様を守ろうとしたのだ!必死になってな

そうしたら、貴様みたいな妖精が現れたのだ.....私には姫様しか居ないのだ!

殺すなら私を殺せばいいだろう!さっさと殺せ!だが姫様は助けて欲しい


それだけ約束してくれるなら、私を食うなり殺すなりすれば好い。

それを約束してくれないのなら、お前も道連れにしてやる!




......................................................




なるほどな!事情は大体が解った!お前は姫様を連れて逃げてる最中だと

言う事なのだな?そして己等は、姫様の護衛をして欲しいと?


「そうだ!」


召還された時に、頭痛がしたのは何故だ?


「それは.....妖精を使役する時の拘束術だ!」


己等に拘束術をかけたのか?


「自力で拘束術を破ったではないか!だから貴様には拘束術は使えない!」


それならば、拘束術は2度と己等に使わないと約束するなら、己等は姫様に

力を貸してやるよ!だが約束を破れば、己等は敵になると知れ!


「解った!約束しよう!拘束術を2度と使わないと!」


処で.....姫様って、今何歳なんだ?


「今年で15歳になられる!」


国を逃げ出したのは何時だ?


「姫様が11歳の時だ!」


4年も逃げる生活をしているのか?


「そうだ....始めの2年は匿って貰ったが、見つかって逃亡した!」


2年間は何をしていた?


「2年間は、冒険者になって姿を隠して、旅をしているのだが」


だが?その後は何だ?


「もうお金がないのだ.....冒険者をしないと暮らせなくなった」


お前等って冒険者ではないのか?


「あくまでも逃げる為だ!冒険者をする必要などなかった!」


駆出し以下じゃないか.....冒険者舐めんな!


「何で急に怒るのだ?」


冒険探索犬の葉月様が、みっちりしごいてやる!


「えっ!?」


返事は、はい・いいえ・しか使うな!


「はい!」


よし!それでは、姫様を起してくれ!


「解りました!」


15歳にしては、発達しているな!プニプニ......


『あん~』


「姫様に何って事を!」


黙れ!指示された事を貴様はしてろ!


「はい!姫様.....姫様.....起きて下さい!」




......................................................




{姫様の覚醒にて}


『事情は解りました!拘束術は2度と使いません!』


「姫様すいません。私が不甲斐ないばかりに」


己等が、今日から冒険者のイロハを貴様達に叩き込んでやる!覚悟しろ。


『宜しくお願いします』


「お願いします」


1人不貞腐れてたぞ!それと元気が無い!そんな事では死ぬぞ?


≪宜しくお願いします!!!!!≫


よろしい!今日から己等の事は、葉月教官と呼ぶように!


≪教官って何ですか?≫


先生の事だ!物を教える立場の人を教官と呼ぶのだ!解ったか?


≪はい!≫


よし!姫様の自己紹介がまだだったな?名前を教えてもらおうか?


『私の名は、エリーヌ・メルシェです』


エリーヌとニネットか宜しく頼む!


ではぁ~特訓だぁ!

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