幼馴染はエロエロな小説家です。〜犠牲になる俺の身にもなれ〜

アキノリ@pokkey11.1

第1話 プロローグ、3年ぶりの再会

鋼雄大、俺の名前だ。

16歳、高二、中肉、好きな物ライトノベル。

鋼の様に固く、雄大なる存在で!などという理由で親に付けられた名前。

だが他人からはお前というヤツは鋼とは言わない。

なんてツッコミやらバッシングやらを受けたりもした。

まぁ、それは何と無く分かる。

何故なら、それだけ俺は全てが軟弱者だから、だ。

腐った魚の様な目、そんで腐ったやる気、そんで腐った根性。

170センチの身長、ライトノベルを早めに読む以外、取り柄が無い俺は。

全てが乙でしたwwwなんて言われる。

止めて欲しいのだが。


「.....あー。モテ期が欲しい.....」


俺はため息を吐きながら鞄をほっぽり投げ。

自宅に帰って来て自室で勉強、なんぞして無かった。

腐った根性故にそんな事はしない。

俺は帰って来てから、そらき、という原作者の電脳文庫の有名ラブコメ

(真剣な私はあなたの為に)

という小説を読んで赤面したり、真剣な顔したり、悶えたりしていた。

駄目だねぇ、こんな事をしているから。

根性のその全てが腐っているなんて言われるんだ。

友人もクラスメイトも失うんだ。

まぁもう社会的にも、今のクラスでもボッチという事で死んでるから良いか。


「.....クァ」


何か、少し字疲れして横を見る。

俺の部屋に有る、羊の柄が肌色の糸であしらわれた白布カーテンの先。

そこに、不気味な程に黒カーテンなヤツが閉まった反対側の家が見える。

俺と同じ年齢(16)?になったと思われる、悠木そら、が住んでいる家だ。

幼馴染だったヤツである。

以前は黒カーテンの所から、そら、が顔を出して。

俺にはにかんでくれた。

だが今では黒カーテンは微動だにしない。

3年間、閉まって、そら、と全く接触が無い。

最後に、そら、のその姿を見たのが。


『じゃあね!雄大!』


中学2年生の12月21日午後4時23分23秒。

キモいですよね。

でも、偶然にGショ○クの時計をしていたから知っているのだ。

幼馴染の3年経った今の姿を見た覚えは全く無い。

何故こんなにも偶然が重ならないのか不思議でならないが。

でもまぁ、二次元にしか興味が無いという所もある俺はどうだって良いとも思えて来たりする事もない。

しかし人間というものは長年経つと気になる事は気になってくるんだよな。

それは、そら、が元気なのか。

という点だ。


「.....でも、あの性格だ。元気でやってるだろ」


その様に思いながら。

俺は夕日に照らされる、勉強机?にラノベを置いてその様に呟く。

でもなぁ。

心配のし過ぎかも知れないが、ここ最近聞いた噂だ。

なんか、そら、の家族もあまり、そら、に接触が無いとか風の噂で聞いた。

俺も心配性になっているのだろう。

マジでそうなっていたら助けたいのだが。


『いじめるな!』


俺がかつて。

強かった、そら、に助けられたから。

その時の事は。

今でも忘れない。


プルルルル


「.....懐かしいよなぁ.....って?」


俺のスマホが鳴っている。

電話機能とか家族以外で使った覚えが無いのだが。

そんなスマホに電話が掛かってきた。

画面を表示させる。

そこには。


「.....非通知?」


画面には非通知と記されている。

俺は見開いた。

何だこれはイタ電か?

そう思いながらも俺は試しに取ってみる。

暇だったので。


「.....もしもし?」


『もしもし』


「.....」


物凄く声が鈍く、低く聞こえる。

何だこれは。

ボイスレコチェンジャーか!?

何だ!?

俺はスマホから離れて、それでまたスマホを耳元に添えた。

身代金とか?

誰か誘拐されたか?

いやそんな馬鹿な!?


「.....誰だ?」


『.....私。悠木そら、だよ』


「.....」


数十秒考えた。

そして俺は驚愕×2的な感覚になる。


「.....何!?」


俺は直ぐに窓から外を見た。

しかし、対する窓は相変わらず黒いカーテンで仕切られている。

微動だにしてない。

ちょ、何!?悠木そら!?


「.....お前、3年.....久しぶり.....嘘だろ.....ってかふざけてんの!?」


『.....いや、ふざけては無いね。私、久々の雄大と話すのが恥ずかしいだけ』


その様な通話を聞く。

え、コイツマジで、悠木そら、なのか?

俺は驚愕しながら、窓に手を添えたまま顎に手を添える。

心臓がバクバクいっている。

俺は汗をかきながら、言葉を発そうとした。

のだが、その前に。

何か切ない声が聞こえてきた。


『.....雄大。実はね、頼みがあって電話したの』


「.....何だ頼みって.....?」


俺は黒カーテンを見ながら、唇を舐める。

そら?と思える人物の言葉を一言一句聞き逃さない為に、と。

何か異変があったら直ぐに対応出来る様にと。

すると、次の瞬間。

とんでもない言葉が相手から出た。


『.....お○ん○ん見せて』


バシーン!


あまりの衝撃に床にスマホを叩きつけていた。

よく分かったぞ。

これは間違い無くイタ電だ。

女性が決して言わない様な事をハッキリとコイツは言いやがった。

つうか、よく考えたら恥ずいからボイスレコチェンジャーってのもおかしいし!

俺は即刻、電話を切ったのだが。

その後に?を浮かべた。


「.....何でコイツは俺の電話番号を知っている.....んだ?それに何故、幼馴染の名前も.....」


プルルルル


考えていると、またその非通知から電話が掛かってきた。

俺は驚愕しながら、スマホを見開いて拾おうとする。

その時だった。


バシン!バシン!バシン!


「.....!?」


羊のカーテンが掛かっている窓。

その様な、何かを打つける音が無数に聞こえた。

俺は眉を顰めてカーテンを僅かだけ開けて窓を見る。

そこには何かが無数にくっ付いていた。


「.....矢.....?」


バシンバシンバシン!!!


まだ音がする。

よく見ると、吸盤の矢が無数に当たっている。

いや、ちょ、ホラーですか!?

その様に、思っていると。

後ろの部屋から壁ドンが飛んできた。


ドンッ


「クソ兄貴うるさい!」


俺は直ぐにカーテンを思いっきりに開ける。

そら、の部屋辺りから飛んできているのは分かる。

だがちょっと待て。

誰が飛ばしているのだ!


「おいコラ!止めろ.....って.....ぇぇ!?」


「.....」


ジェイソン。

いや、ジェイソンじゃねぇ。

目の前に、そら、と思われる人物が。

3年ぶりにその黒カーテンを開けて、俺の部屋を弓で襲撃していた。

なにやってんだコイツは!

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