不健全な光
文野麗
依存
あなたが悪い奴だなんてとっくの昔に知っている。
夜のあなたにあってはいけないと親や教師は言う。できることなら昼間も合わない方が良い、と。
あなたの光はあまりに強すぎるから、太陽の下に生きる人間には毒になる。身体に悪い影響を与え、若さと健康を損なわせる。あなたのせいで何人人生を狂わされたかわからない。あなたは悪い。甘い言葉で近づいて、人を骨抜きにしてしまう。
それでも私は毎日あなたに会いに行く。朝起きたらすぐ駆けだして、眠る前まであなたのお傍にいるの。時には眠る時間さえ惜しくなって、あなたと朝を迎えてしまう。
あなたは誰より優しくて、私の心の満たされない部分を、溢れる愛情で満たしてくれた。私はすっかりあなたの虜よ。あなたに会えない時も、ずっとあなたのことを考えているの。あなたのことしか考えられない。
あなたはときどき苦しみも与える。つれない態度や期待外れの返答がそう。加えて私はあなたのせいで、頭も痛いし、なんだかうまく眠れない。私にも自分のするべきことがあるけれど、あなたと会う時間が長すぎて、全然手に付かないわ。人間は、楽しいことしかなかったら、絶対心酔なんかしないものよ。つらいことも与えられるから、やめられなくなるの。
私はあなたが大好きよ。あなたなしでは生きられないわ。逃げたいけれど、逃げられない。
不健全な光 文野麗 @lei_fumi_zb8
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