026  臨床生理学Ⅴ

重心動揺計の概要

 正三角形の各頂点に加重検出計を配置

 被験者(患者)を直立

 身体動揺に伴う足圧中心位置の変化を記録



重心動揺検査の検査法

 靴および靴下(ソックス・タイツ・他)を脱ぐ

 検査代の中心と足底の中心を一致させ、閉足状態で直立

 ①起立姿勢を維持

 ②開眼で被験者(患者)の正面でかつ眼の高さに設置した視標を注視させた状

  態で施行します。

 ③記録時間は60秒

 ④検査は開眼と閉眼で実施



重心動揺検査の評価項目

 重心動揺図

 計測した軌道パターン。

 パターンは求心型、びまん型、左右型、前後型、多中心型、不規則型などに分類されますが、臨床的意義は少ないと考えられています。


 重心動揺軌跡長

 一定時間内(通常60 秒)における動揺の軌跡長。不安定さの指標として重要です。X 軸成分とY 軸成分の相関が動揺の特徴を示す指標として用いられることもあります。


 重心動揺面積

 外周面積  → 動揺軌跡の最も外側の部分で囲まれる面積(最も一般的)

 矩形面積  → X 軸方向とY 軸方向の最大径の積

 実効値面積 → 動揺図の近似円の半径


 単位面積軌跡長

 60 秒間の総軌跡長を外周面積で割った値です。


 周波数分析

 フーリエ変換してパワースペクトルを記録。

 視覚入力、前庭覚入力、体制感覚入力の欠損によって生ずる動揺の増大は、それぞれ特徴周波数を持つといわれています。


 ロンベルグ率

 開眼閉眼比です。動揺面積もしくは軌跡長の開閉眼時の比率を算出します。



ロンベルグ現象陽性のメカニズム

 健常者☞視覚・前庭覚・体性感覚☞身体の動揺を制御

 前提障害では開眼時と閉眼時の動揺差が顕著

 ロンベルグ陽性

 ロンベルグ率の算出☞総軌跡長もしくは外周面積の閉眼動揺と開眼同様の比率

 閉眼外周面積/開眼外周面積

 閉眼軌跡長/開眼軌跡長



Caloric test (温度眼振検査)

 外耳道内に温度刺激 ☞ 外耳道後壁から最も近い外側半規管に熱量が伝わる

 半規管の機能を左右別々に評価できる唯一の検査

 鼓膜穿孔の患者では感染の危険性がある

 臨床検査技師は外耳道内への注水が行えない ☞ エア・カロリックはOK

 被験者(患者)を仰臥位かる30°頭部前屈☞外側半規管は重力に対して垂直☞半規管内に内リンパ流動

 温水;44℃(37+7℃) 冷水;30℃(37-7℃)



赤外線CCD/C-MOSカメラ

 回施運動の記録・解析が可能



健常者のオージオグラム

 気導聴力

 右耳……〇(実線)

 左耳……×(破線)

 骨導聴力

 右耳……【

 左耳……】



オージオグラム 中耳炎

 AB GAP(+)



オージオグラム 騒音性難聴

 C⁵dip(c5ディブ)

 騒音性難聴など、大きな音や騒音を聴いていると、6000Hzあるいは5000の聴力が低下する。

 オクターブ・オージモメータでは4000Hzのみが低下



他覚的聴力検査としてのABR

 ABRのV波と自覚聴力闘値は相関

 詐病の鑑別にも利用



語音聴力検査

 言葉の聞き取りやすさを調べる検査

 検査音には「ア」、「キ」などの“語音”を用いる



定量的濾紙ディスク味覚検査

 4種類の味覚に関して、それぞれの闘値を測定



標準嗅覚検査

 5種類のニオイを10段階に希釈し、それらのニオイがどの濃度から感じられるかを調べる検査


 静脈性嗅覚検査

 アリナミン注射液(10mg、2㎖;ニンニク臭)を等速度で20秒間に肘正中静脈に静注し、患者がこの臭いを検知するまでの発現時間、嗅覚発現から消失までの持続時間を計測

 ↓

 嗅覚刺激の応答/呼気時に感知

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