第3章  臨床生理学

022  臨床生理学Ⅰ

超音波の特性

 20Hz~20kHz ⇄ 2MHz~20MHz



波動 - 波の伝わり方 -

 波の速度 v (m/s) = f・λ = λ/T

 周波数 f (Hz) ……… 1秒間に存在する波の数

 周波数 f (Hz) =1(s)/周期T(s)



伝搬速度と音響インピーダンス

 超音波の伝搬速度……JIS → 1530m/sec

  水    ☞  1,520m/sec

  脂肪   ☞  1,476m/sec

  筋肉   ☞  1,540m/sec

  肝    ☞  1,570m/sec

  骨    ☞  3,360m/sec

 JIS規格 1530m/s

 約1/5倍⇒340m/s……肺(空気)

 約2倍⇒3360m/s……骨・結石


 音響インピーダンス……媒質固有

  (媒質の密度)×(伝搬速度)で定義 ← 温度より変化

  肺(空気) ☞  0.0004×106Rayls

  水   ☞  1.48×106Rayls

  脂肪   ☞  1.38×106Rayls

  筋肉   ☞  1.70×106Rayls

  肝   ☞  1.65×106Rayls

  骨   ☞  7.80×106Rayls

 減衰係数↑

 肺(空気)と骨・結石



超音波の干渉

 2つの超音波が媒質中のある1点に同時に伝搬した時、その点の変動2つの音波に伴う変動を加算したものになる現象


 超音波の波長に比べて十分小さな生体内の無数の反射体(群反射体)により、散乱波が様々な場所(位相)で生じる。この散乱波のうち探触子に戻ってくる散乱波(後方散乱波)が干渉し、ランダムに小輝点群(まだらな点状の像)がみられる。

        ↓

 スペックル(小斑点)ノイズ



超音波の減衰

 超音波が媒質中に伝搬するにしたがって音の強度が減少する現象

 減衰量=周波数×減衰係数


 超音波の周波数が高くなる(波長が短くなる)につれて指向性および距離分解能は良くなるが減衰は大きくなる。そのため透過性は悪くなり、超音波は深部まで到達できない。

 肺や結石等は減衰係数が非常に大きいため、超音波はほとんど通過しない。

 方位分解能は振動子のビーム幅と関係する。



パルス波と連続波

 連続波(CW)

 連続した音を出すため、帰ってきた音がいつ発した音の反射波であるか同定できないので反射原までの距離は特定できない。

 連続波はドプラ法で最大血流速の測定に用いる。


 パルス波(PW)

 断続的に音を出し、パルスとパルスの間に反射波データの収集が行われる。



連続波ドプラ法 (CWD:continuous wave doppler)

 ドプラシフト周波数の制約を受けない

  ↓

 検出限界が無い


 高速の血流を測定が可能

 ■心臓弁の逆流

 ■狭窄部位の血流速計測

 ■高速異常血流



カラードプラ法 (CDI:color doppler imaging)

 B mode上の高範囲に渡る血流情報

   視覚的に捕えやすい


 リアルタイム表示が可能


 パルスドラプ法を利用

  ■プローブに近づく血流   ☞ 赤色

  ■プローブから遠ざかる血流 ☞ 青色

  ■遠い血流         ☞ 明色

  ■遅い血流         ☞ 暗色



一般的なプローブ(探触子)の特性

 ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)

 ポリフッ化ビニルデン(PVDF)

 圧電素子(ピエゾ素子)



超音波診断装置

 STC(sensitivity time control)

 超音波の伝搬距離に相当する時間に対して感度を調節するモノ



超音波プローブの走査方式

 リニア型、コンベックス型、セクタ型、ラジアル型



Bモード (brightness mode)

 A modeの振幅を輝度として表示した2次元画像

 超音波ビームを複数送受信することで2次元画像を作画超音波診断のペースとなる非常に大事な表示方法



サイドローブ

 超音波ビームの音圧分布において中心軸の側面に拡散する疑似成分

  ↓

 虚像が発現


 サイドローブ ☞ すべての超音波プローブで発生



多重反射

 超音波が向かい合った狭い反射体の間で何回も反射を繰り返す

  ↓

 虚像が発現



鏡面現象 (mirror image)

 横隔膜☞強い反射体で超音波ビームが反射

  ↓

 虚像が発現



音響陰影 (acoustic shadow)

 音響インピーダンスが大きな組織境界面の後方は超音波が透過できない

  ↓

 無エコー


 骨 結石 石灰化



後方エコー増強

 超音波の減衰の少ない組織の後方エコー

  ↓

 周囲に比べ明るくなる現象


 嚢胞(Cyst)、原発性肝癌、悪性リンパ腫



エコー像の特徴

 血液・胆汁・尿・腹水・胸水・嚢胞(Cyst)……

             ↑

            自由水(無エコー) ☞ echo free space



絶飲食

 そろそろ21時。食事×。飲み物×。

 


 

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