第14話 男子高校生の日常
”男子高校生の日常”、このフレーズに俺が該当するのかと言われると物議を醸すのやもしれない。友恵ちゃん(担任)のありがたいお言葉とともに始まった席替え、クラス替えがあり、仲の良い者がまた同じクラスにというのはあまり考えにくく、新たな友達の第一歩また、これから青春をという者は初手が大事と意気込む。俺は外の景色が見たいから窓側などと考えていた。零は、なにか呪術でも習得しているかという程に凄いオーラをまといつつ、くじをひいていた。
「おっ、窓側だ。ツいてるな」
「っしゃ~、キター。あっ、失礼しました。」
俺は希望通りの窓側、おまけに一番後ろ。そして、狂ったように叫び、周囲の頭上に?を浮かべさせた零が隣である。24時間一緒にいるやん、これ。そして、席に移動する。以後、中間考査までこの席である。
「零、どうしたんだ?叫んだりして」
「いえ、ちょっと………それより隣ですね♡」
「俺は寝てるから板書頼むわ」
「はい♡、あっでも私が分からない所は教えてくださいね、起こしますから」
「はいよ」
このSとAの組み合わさったクラスでは、半分の者が俺と零の関係を知っている、まぁ親が爺さんと知り合い、近くの奴らばかりだからな。学校だけでなく、変なパーティーでも普通に会うから、あぁ金持ちってすご。
そして、この会話の際の周囲の方々の心のうち
「零ちゃんが隣で良かった、私だったら殺されてるよ」(関係を知ってる)
「零様が叫んだのって、あれでしょ、嬉しすぎてでしょ。」(関係を知ってる)
「零様と隣になりたかった。」(関係をしらない)
「なんだよ、東雲さんに板書とか調子乗んなよ」(関係を知らない)
雅と葉山 「あの夫婦、大丈夫なの?」(こちらも前の方で隣同士)
俺と零の前には、女子二人が席替えでつく。
「萩原君、よろしくね。私、加藤 彩(かとう あや)って言うの彩って呼んでくれるとうれいしいな。東雲さんもよろしく。」
俺の前の子があいさつをする。髪は茶色で零と同じくらいか少し長めであり、猫のような目であり、可愛いという部類に入るだろう。胸もそこそこ、足もスラリとしている、しかも生足(まだ肌寒いよ)。
「あぁ、よろしく。多分、俺寝てるからさ。」
「加藤さん、零でいいですよ、よろしくお願いいたします。ね!」
最後の方、俺見ながら言ったよな、零。あと、彩って呼んでなのに加藤ってね………。
「じゃあ、私も、神崎 未来(かんざき みく)っていいます。萩原君、同じクラスだったの覚えてる?勉強会も出たんだよ」
「あぁ、もちろん。文系はやたらできるのに、数学なると赤点回避に必死な未来だろ。」
「も~そんな覚え方しないでよ」
「ごめん、ごめん。」
「あ、東雲さんもよろしくね」
「神崎さんも私のことは零でいいですよ。よろしくお願いいたします。」
神崎未来は一年の頃に同じクラスで勉強会の常連。国語や英語は学年でも五本の指に入るが、数学となるとおバカもいいとこ。いろいろ質問なり、受ける内に仲良くなり、数学の赤点回避のご褒美で名前で呼んでと言われて今に至る。銀髪で背が高く、スタイルも顔も良い。そして、弱々しい口調が男子受けをさらに加速させている。なかなかの特等席を引いた。
俺は授業中は寝ており、知らぬうちに4時限目が終わっていた。
「涼さん、起きてください。お昼休みですよ。」
「あぁ、もうそんなになった?じゃあ、生徒会室行くか」
「はい」
零は大きめのバックを持ち、俺のあとを付いてくる。俺と零の弁当である。生徒会メンバーはどちらも同棲関係にあるため、弁当も同じ。関係を知る者はトータルで見ると3割程度で支障もあるし、生徒会としての機密事項の話合いがあるため、昼食は生徒会室ということにした。まぁ、生徒会室が広々してるし、有効活用みたいな面もあるが………。
「うわぁ、零ちゃんのお弁当綺麗」
「そんなことないですよ。雅さんのだって」
そして、女性陣のお弁当の褒め合いが始まった。俺と葉山は黙っている。そして、それも終わった頃、それぞれの女性の弁当を食べる。うん、うまい。
「零ちゃん、隣で良かったね」
「はい、念じた甲斐がありました。涼さんの隣でなかったらもう………」
「あぁ、だから叫んでたのか、なるほど。」
「どんなにうれしかったかわかりますか?それなのに、涼さんは前の席の女の子にデレデレして………」
「あれ、萩原君、もう浮気相手捕まえたの?」
「いや、違うからね。あいさつしただけだからね。」
「まぁ、涼の前にいた二人は少なくとも東雲さんとの関係をしらない様だし。これから色々あるんじゃね?」
「お前は何、冷静にしてんだよ、葉山」
「俺の場合、雅が隣で他もサッカー部とか知り合いでなんも心配ないから」
「それ、私も気が楽だわ。しかも、他の夫婦生活見れるとか………楽しすぎ」
おーこいつら、何なの。いじめたいの。
「零ちゃん、今の時間のうちに旦那に餌付けした方がいいよ」
「それも、そうですね。では」
え、なに何が始まるの。零は隣の席から移り、俺の椅子、いや俺の膝に座って弁当からおかずの卵焼きを一つ、箸で掴み、俺の口元へ運ぶ。
「涼さん、あ~ん」
「えっ?」
「あ~ん」
俺の口の中に押し込まれる。味は最高。「零ちゃん、大胆!」
「次はどれがいいですか?」
「じゃあ、アスパラのベーコン巻きを」
「では、ぁい、じょぅじょ」
零は自分の口に半分挟み、俺にその逆の方から食べろと促してくる。迷っていると、零の顔はどんどん近づき、俺は恥ずかしいが迎えにいく。すると、零は自分の口に含んでいた分も全て俺の口の中に入れてきた。
「美味しいですか?」
「……うん」
「頑張って作った甲斐がありました。」
もう味なんてわからないです。そして、この食べ方はその後しばらく続いた。そして、教室に戻ろうと促すと、零がもぞもぞとスカートに手を掛けた。
「少し暑くなってきましたし、涼さんはこちらの方が好みのようですので」
零は、自分の履いていたタイツストッキングを脱ぎ始めた。スカートが少し俺の目の前いや、少し下で裏返って、アレが丸見え。新緑、まさしく春らしい色だった。
「どうですか、生足ですよ。ほらほら」
と俺の手を太ももにやる。すべすべとした白肌だが、少し冷たい。
「萩原君、もしかして前の子の足見てたの?」
「足、綺麗な女性はいいよね。」
「え~、勇人もあの子の足いいの?じゃあ、私も脱ぐ」
「雅の方が好きだよ」
「うふ、ありがと」
あっちもあっちである。零の足も良いが、やはり少し冷たい。
「涼さん、私の足はどうですか?」
「零の生足もいいけど、俺はタイツの女性の方が惹かれるかな。寒いの我慢してるでしょ?」
「えっ?」
図星の様である。
「涼さんがそう言うなら仕方ないですね。ストッキングの方が涼さんの好みでしたら。」
「別に無理しなくていいよ。零にしか興味ないから。ほら、早く履いた方がいいよ。風邪ひくよ。生足はもう少し暖かくなったら存分に目の保養にさせてもらうから。」
「は、はい♡」(カッコ良すぎてヤバい、あと手暖かくて気持ちいい)
ストッキングをはきなおすとまた俺の手を置いた。
「どうです?女子高生の足は?………冷えてしまったので温めてください。」
と俺の手を自らの太ももに擦り付ける。
そうしているうちに昼食時間、昼休みは終わった。
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