◯通学途中、朝


 それから数日が経ち、"私"とK119は待ち合わせをして一緒に登下校をする仲になっていた。


K119「ねぇ、今日の放課後って予定ある?」


私「ううん。ないけど、どうしたの?」


 K119は小声で、しかし"私"にギリギリ聞こえるくらいの声で「よっし」と歓喜の声を上げた。


私「・・・?」


K119「あ、あのさ、今日わたしの家で遊んでいかない?」


私「え!?いいの?行く!行くよっ!」


 学校にもう着いてしまったため、K119は急いで放課後のことを伝えようとする。


K119「やった!じゃあ何して遊ぶか考えておくよ!君も何かやりたいことあったら教えてね!」


私「うん、分かった!」


 教室に着き、話が長引いてしまって遅刻ギリギリと分かったK119はそそくさと自分の席へ戻った。


 "私"はずっと放課後のことを考えていて、今日の授業はほとんど頭に残っていない。



◯放課後、K119宅、夕方


 「少し待ってて」とK119が言うので"私"は玄関で少しの間待機していた。


 しばらくするとK119が急いで戻ってきたから、掃除していたんだなと"私"は少し微笑んだ。



 京ちゃんの部屋に上がると真っ白な壁に白い大きな機械が置いてあり、"私"は研究室を思い出し、少し後ずさりした。しかし、機械以外は女の子らしい明るいインテリアや雑誌があったため、アンドロイドというだけの違いだと思い部屋に入った。


 その後、ネックレスの使い方を教えてもらい、一緒にゲームをしたり、友達との思い出話で盛り上がった。


 あって当然のように思っていた雑誌はレトロ好きな友達から貰った貴重なものらしかった。


 時刻は17時を過ぎていた。"私"はK119の話を遮るように言う。


私「ごめん、もう帰らなくちゃ。また明日遊ぼう?」


 と言うとK119はひどく驚き、目を潤ませた。


K119「やだ・・・。もう少し・・・一緒にいよう?ね?もう少しだけ・・・」


私「でも時間だから・・・。明日も全然時間あるからさ、また明日ね?」


K119「・・・明日じゃダメなの」


 そう言うとK119はおもむろに立ち上がり、"私"に近づいてくる。


私「き、京ちゃん・・・どうしたの・・・きゃ」


 K119は"私"をつかみ、優しくベッドに押し倒した。


 そして"私"の上に乗るように近づいてくる。


 K119の唇が迫り、"私"は目を閉じて応じた。


 K119と"私"の唇が触れる。K119の唇はアンドロイドらしからぬ柔らかさで、"私"の唇と合わさり、ぷにと潰れた。


 "私"は初めてのキスにキツく目を閉じ、頬を紅潮させている。


 数秒合わせていた唇を離し、K119は興奮したように言う。


K119「拒否・・・しないんだ」


 "私"が何か言おうとするのを遮るようにまた唇をあわせてくる。


 2人の呼吸は赤みを帯び、どちらも正面の女に夢中になっている。


 先程の唇を合わせるだけの行為とは違い、K119は舌を唇の割れ目へと挿し込んで、深く繋がろうとする。


私「んんっ・・・!」


 K119の舌が"私"の前歯を舐める。


 そのまま舌を更に奥へ挿し込み、"私"の舌先を弄ぶように舐め始めた。


私「ふぅぁ・・・んんっ・・・」


 いつの間にかK119の両手が"私"の両手に覆い被さり、"私"はK119の両手を強く握っていた。


 K119が唇を離すと、"私"とK119の間に淫らな唾液が現れ、"私"とK119の繋がった証拠になった。


 "私"は胸がひどく高鳴っていること、淫らな行為をしたことに気付き、さらに紅潮した。


K119「気持ちいい・・・?」


 K119の意地悪な問いに"私"は顔を反らすしかできない。


K119「ふふっ。かわいい・・・」


 K119が"私"の胸に触れる。"私"は手を引き離そうとするが、K119の手に"私"の手を重ねることしかできない。


 K119の手がそのまま腹部の方へスルリと下がっていく。上着の下へ潜り、下着を探りさらに潜り、赤く熱を持った柔肌へと静かに触れる。


私「だ、だめ・・・んぅ・・・!」


 "私"が喋ろうとしたところをK119が唇で遮る。また舌を挿し込まれ、"私"は目をつむり無意識の内に刺激を最大限味わおうとしてしまう。


 "私"の腹部を這いながらK119の手は"私"の背後に回り、ブラのホックを器用に外してみせる。


 その後、胸に手が這ってきて、ブラの内側から"私"の胸のたわみを楽しむようにふわふわと触れてきた。


私「・・・はぁ・・・んぷぁ・・・。んんっ・・・」


 艶かしく粘液が行き来するキスに、恥ずかしい部分を弄ばれている感覚に、自分でも分かる程"私"の秘部は濡れてしまっていた。


 ふとももをいやらしい液が伝っているのが分かった。


 K119の手が"私"の乳首を手で転がして弄んでいる。


私「あっ・・・ふぁ・・・あぁっ・・・」


 "私"が快楽に呑まれかけていると、K119の手が"私"の肌から抜き取られた。


 不思議そうに眺める"私"に対して、K119は慣れた手つきで指先を舐め唾液を付けた。その指先を再度"私"の腹部に這わせた。


 指先が這った道は唾液で照らされ、先程とは全く違ういかがわしさが増している。


 しかし、それ以上に違ったのは、指の行き先が"私"の下半身だったことだ。


 下着を探り、いやらしく湿った指先が秘部に近づいてきた瞬間、


私「だ、だめっ!」


 "私"は両手でK119を押し返していた。


 K119はひどく困惑し、ここで拒否する理由が分からないといった風だった。


 "私"も恥ずかしいから拒否したのか、まだ早いと思ったのか自分でも分かっていない様子でいる。


私「・・・ご、ごめん。本当に帰らなくちゃいけないから・・・また!」


 いたたまれなくなり、"私"は逃げるようにK119の家を出た。



◯中村教授宅、夜


 家までどうやって帰ってきたか覚えていない。


 帰ってきてからナカムラに心配されたが、本当のことを言うわけにはいかなかった。


 自室に戻った時、下着にひどい違和感を感じ、下着を見てみるといやらしく汚いシミが大きく広がっており、まだ秘部からは糸が引いていた。


 この光景に虚無感を覚え、すぐにシャワーに入ってすぐに寝た。夕食は食べなかった。



◯学校、早朝


 K119と顔を合わせ辛いと感じ、せめて2人きりは避けようと待ち合わせの時間よりずっと早くに家を出た。


 学校に着いてみるとまだ誰もいなく、窓際で無駄に晴れた空を見ていた。


 と、教室のドアが開かれた。


アンドロイド男「おっ、お前か今日は早いな。


   何かあったのか?あれ?そういや京のヤツは?」


 "私"は目を反らし反応に困っていると、


アンドロイド男「はは~ん、そういや昨日アイツの家に行くとか言ってたな。もしかして抱かれたな?」


私「!」


 予想外の的を射た言葉に息が詰まった。


アンドロイド男「アイツ相当手出すの早いからな~。それで機嫌損ねて今日は1人で来たってか!ハハハ」


 "私"は事を理解できていなく、ずっと困惑している様子でいる。そこに追い打ちをかけるようにアンドロイド男が告げる。


アンドロイド男「俺も昔迫られてすっげぇ困ったよ。


   アイツの場合、ちゃんと断らないとしつこいからなぁ。ま、それでもそこ以外は良い奴だから仲良くしてやってくれよ?」


 とアンドロイド男は話が終わったかのように席に戻ろうとしたが、"私"はどうしても気になるワードがあって、そこを聞かなければ気が済まなかった。


私「俺もって・・・どういうこと・・・」


アンドロイド男「?・・・あぁ!知らないんだったな。


   アイツ、多分もうこのクラス全員に同じように迫ってると思うよ。でも変に捉えないでくれよ?アイツは愛をテーマに作られたアンドロイドだからな。


   仕方ないんだよ。そういう個性なのさ」


 "私"には途中から話が頭に入ってこなかった。ただ、クラス全員に同じことをしたという部分だけが頭に残っていた。


アンドロイド男「お、おい!急にどうしたんだよ!」


 "私"はいつの間にか教室を出て走り出していた。



◯中村教授宅、研究室、朝


 気付いた時には自宅の研究室に来ていた。


 そこにはナカムラがとても悲しい、大切な人の葬儀に来たような表情で待っていた。


私「ダメだった・・・。もう一度眠りたい・・・」


 深く間を置き、ナカムラが答える。


ナカムラ「・・・分かりました。」


 "私"は再度コールドスリープ装置に入る。


私「次は・・・生きやすい世界になってるかな・・・?」


ナカムラ「勿論です」


 "私"の目から涙が出、頬を伝う。


 装置が閉じ、"私"の視界が白く染まる。

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未来、私の居場所。 縁側紅茶 @ERG_Engawa

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