第5話🌠訪問とお願い
さて、約束したはいいが何処に行くかな。
あんまり、遠出はできないが
二泊三日くらいなら大丈夫か……?
来週の土曜日に美都果の
祖父母に訊きに行こう。
そんなことを考えながら仕事をした。
後輩のあの甲高い声はシカトして
昼休みにコンビニに向かう。
美都果は終業式が終わる頃だろうか?
真っ昼間から一人で電車に乗って
誰もいない家に帰るのか……
会いたいなぁ(苦笑)
今朝の笑顔を思い出しながら
午後の仕事も頑張ろうと思った。
ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ
翌週の土曜日。
美都果の家の最寄り駅で
待ち合わせをした。
『京冴さん、お待たせしました』
時間ぴったりだな。
『大丈夫だ』
仲良くなった時に
一度だけ行ったことのある
美都果の祖父母の家。
おっとりした優しい人達だ。
『ばぁちゃん達に昨日、
京冴さんが来るって
電話したら嬉しそうだったよ』
駅からバスで二十分。
『ばぁちゃん』
裏の家庭菜園に回ると里紗湖さんが
プチトマトときゅうりを収穫中だった。
「美都果も京冴さんも、いらっしゃい」
作業を中断して俺達と家の中に入った。
『じぃちゃん、来たよ』
リビングで新聞を読んでいた
典満さんが顔を上げた。
「おう、よく来たな」
俺達が向かいに座ると
新聞を畳んで脇に置いた。
『お邪魔します』
里紗湖さんが冷たい緑茶を
持って来てくれた。
「そう、固いこというなよ」
典満さんが豪快に笑った。
『ありがとうございます(๐•ω•๐)
これは〔鳳凰堂〕のお菓子です』
二人は美都果の父方の祖父母だ。
息子を早くになくしたが
美都果がいるから頑張れると言っていた。
「有り難くもらっとくわ(๑^ ^๑)
ありがとうよ」
喜んでもらえてよかった。
「それで、今日はどうした?」
そう、目的は夏休みに
美都果と旅行に行くこと。
『実は、美都果の夏休み中に
二泊三日くらいで旅行に
行きたいと思ったんですよ』
朝の電車での数十分じゃなくて
一日中一緒いたいと思った。
『それで、お二人の許可を頂きたく
今日はお邪魔させてもらいました』
『ぇ⁉
夏休みに予定空けといてって
そういうことだったの⁉』
驚いてる、驚いてる(笑)
「あら、知らなかったの?」
里紗湖さんに訊かれて頷いた。
『美都果は嫌か?』
すっかり、浮かれていたが
本人の意思も訊かずに話を
進めようとしていた。
『違うよ‼
嬉しいんだよ//////』
よかった(ホッ)
「そういうことなら、行って来なさい。
その代わりに土産買ってこいよ」
すんんなりと許可が出た。
『勿論です(๐•ω•๐)
ありがとうございます』
後は、八月になってからの
美都果の都合と俺の仕事の状況によるな。
『じぃちゃん、ありがとう♡*。』
何が何でも、休みを取るけどな。
「よかったわね(๑^ ^๑)」
里紗湖さんも笑っている。
『今回は美都果と二人ですが
次回は四人で行きましょう』
家族旅行もしたいと思っていた。
美都果とは恋人同士じゃないけど、
二人のことは家族だと思っている。
「あら、嬉しいわね(๑•᎑•๑)」
この後、夕飯を一緒にと
言ってくれた二人の言葉に甘えて
ご馳走になった。
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