第2章〖夏休み~旅行編〗

第4話🌠終業式と約束

今日は黒沢峰ヶ丘の終業式だ。


明日から夏休みに入るから

当分、朝の電車で一緒になることはない。


去年も同じだったんだから

何を今更という感じだが、

少々寂しいと思うことは許してほしい。


『おはよう、京冴さん』


今学期最後の“おはよう”だ。


『おはよう、美都果』


明日からは一人だと思うと気が滅入る。


『学生はいいな(笑)


明日から夏休みだろう』


社会人になると中々、夏休みは取れない。


『うん……


去年もだったけど京冴さんに

毎日会えなくなるのは寂しいな』


美都果も寂しいと思ってくれてたんだな。


『俺もだよ。


そうだ美都果、夏休みの間に

予定が空いてるところがあったら

二人で出掛けよう♬*.+゜』


休みは有給でも使えばいい。


『ぇ⁉


京冴さん、仕事は?』


訊いてくると思ってた。


『丈夫だ。


前以まえもっ

言ってくれれば休み取れるから』


夏休みの間中会えないのは

俺の精神的にヤバい。


去年だけでりだ。


『わかった、宿題もあるから

七月中は無理だろうけど

八月は予定、空けとくよ』


よかった、会う約束ができた。


『連絡、待ってる』


ちょうど、降りる駅に着いた。


当分、美都果の

“いってらっしゃい”と“いってきます”

が聞けないなぁ

と思いながら会社に向かった。

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