第2話🌠臆病者の片想い

目下の面倒事は同じ部署の後輩から

付き合って欲しいと言われていること。


このことは美都果には話していない。


ある意味では尊敬に値するが。


出逢って一年。


年の差だの同性だのと

ぐだぐだ考えていまだに

美都果に告白できない俺は

世間でいう“ヘタレ”なのかも知れない。


「先輩、おはようございま~す」


今日も部屋に入った途端に

あの甲高い声耳に入ってきた。


ウザイの一言に尽きる。


さっき別れたばかりなのに

美都果に逢いたい。


彼女を無視して席についた。


仕事の出来は普通。


気立てはまぁまぁ。


容姿は可愛い方……なのか?


とりあえず、同僚や上司は

彼女を可愛いと言う。


俺は美都果の方が可愛いと思うのだけど

これは、惚れた欲目か?


ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ¸.✻´`✻.¸¸ღ


屋上でコンビニのお握り片手に

昼休み、美都果にメールする。


黒沢峰ヶ丘は割と緩い。


授業中に出さなければいいだけだ。


だが、返って来ることは期待していない。


折角の友人達との時間を邪魔する気はない。


ボーと空を眺めていたら

ドアが開く気配がした。


横目でチラッと見るとまた、あの女。


昼休みだからか、友人と一緒らしい。


俺は気付かないフリをして

見つからないように屋上を出た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る