第3話 入院生活の始まり (片麻痺の誕生)

まだ、ICUにいる様だ、何が何だか、分からず、看護師さんの言う、脳梗塞と言う病気の意味さえ分からないと言うか、病気に対しての、知識がおっさんにはないのである。当たり前というか、今まで病気とは無縁、若い時、肝臓を悪くした以外、風邪一つひかない、至って元気そのもの、頭の病気だろうぐらいの認識、そのため、全くのノー天気状態、そんなこんなで、5日後、尿がしたくなる、大の方は元々、便秘がちなので便意がない、しかし、尿の方は、もう、5日もしていない、よく、寝ているようだ、看護師さん、小便したい、すこし待って、尿瓶を持ってくるから、初めての体験、何も分からず、寝たまま、尿瓶を、寝たまま仰向けで自分の一物に、当然こぼれ出してくる、5日もしていないので、量も多い、ごめん、零れた、すぐに綺麗にしますねと看護師さん、気にしなくて良いですよ仕事ですから、彼女に身をまかせ綺麗に拭き上げてもらい、まるで、赤ちゃんのおしめ替え、ごめんね、初めてなで、おっさん、看護師の彼女に詫びて初めての体験、終了。

それから2日後、個室へ移動、担当らしき先生登場、手足を動かし、何か確認する様で、医師の指示で手足を動かす。あれ、左の手足が動かない、今まで、何もきずかなかった、確か、昨日、友達が見舞いに来た時までは動いていた。その時その場にいた医師が麻痺はなく家に帰る事が出来ると言っていたはず、なのに今は自分の体ではない様だ、担当医の話では、溶けた血栓が小さい血管に詰まったとのことで、手は何も動かない、足は少し動くだけ、これから地獄への始まりです。

でも、まだおっさんはお気楽、50年以上動いていたのだから其のうちに動くだろう。2日程して、6人部屋へ移動、すぐ、ベットでリハビリが始まる、療法士と挨拶を交わし、リハビリに向けての説明を受けながら、只、歩くだけではなく綺麗に歩ける様に頑張って行きましょうと言われ、おっさんなりに理解し真面目にやろうと思う、普段は自己中なおっさんが、この療法士さんは何か信頼できる人だと感じ素直に受け入れた。

リハビリに励んで、1月、ある事件が、頭を洗ってやると、看護師さんから言われ、車いすで洗面台まで移動、そこで、看護師さんが目を離したすき、是くらい出来るだろうと、車いすから洗面台の椅子へと移動しようとした瞬間、転倒、こんなことも出来ないのか、初めておっさんは現実を知る、いつもは、ベットの上で寝て過ごしているだけ、すべて、毎日、病院に来てくれる奥さんに甘えている。転倒しているおっさんに大丈夫ですかと、優しい言葉を期待していたおっさんに、一人で動かないでと言ったはずと厳しい顔の看護師さん、この出来事は看護師みんなが知る事になる、何故ケガも頭も打っていないのに大騒ぎするのだろう、後で知るのだが患者に何かあつたらいけないので、病院には色々と決まりごとがある、どの世界も一緒だ、自分勝手な行動で人に迷惑をかけない、当たり前、おっさん、猛省。もうすぐ、リハビリテーション病院へ転院することに成っている、身体的には期待で一杯、リハビリに向け気持ちは前向き、結果を夢見て。早く元の体に戻りたい、毎日、看病に来てくれる奥さんには感謝、感謝。

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