第2話  健常者最後の日

そう、おっさんは、前日、脳検査を、受けているのである、

おっさんは夫婦で下請けで建築関係の施工業を営んでいる。

その日の朝も、何時もの様に現場到着後、荷物を降ろそうと車からおりた途端に左に体が傾く、何時もは、病院嫌いで医者にはかからないのだが、その時は、おっさんも自分の頭の異常だと何故か感じた。お母さん体がふらつく、荷物は降ろさないで、帰ろう、どうしたの大丈夫。だめだ、私が運転する、帰って病院へ行こうと奥さんから言われ、元受けさんに連絡し作業中止。家まで30分、作業着から着替えすぐ病院へ、病院は意外とすいている、暫く待たされ診察室へ、先生、体が左に傾きふらつきます、隣で奥さんが顔も左が変です、と説明、その時は、何もなかったかの様にどうもない、先生の問診の結果も異状なし。

しかし、おっさん初めての経験、先生、頭の検査をしてください、お願いします、今すぐは出来ません、午後からならと言われ、待ちます、不安で昼食もせず、夫婦は会話もせず、午後からの検査を待つ、午後から一通りの脳の検査、MRなど、この病院はおっさんが加盟している建設組合の指定病院なので、毎年 健康診断でもお世話になっている。検査結果が夕方出て、検査結果の説明、異常ありません、との、結果におっさん喜び夫婦は安心して家路へ。いつもの様に、夕食時のアルコールタイムおっさんは若いころから他の人より、少々 酒飲みなのだ。父さん、ほどほどにしてと奥さんから言われ、いつもの様に寝床へ、これが、最後の体であるのも知らず眠りにつく。

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