第3話 桔梗(ききょう)
その貴族の屋敷より、傷を負い逃げ出した
屋敷の主人=藤原
夏のある日。都の北側にある山中の神社に直比呂が
幸い、大事には至らなかったが、片足をくじいてしまい
川の水に足を浸している直比呂の背中から、小さな声が聞こえた。
「もし、お困りのようですが、どうかなさいましたか?」
その声に「はっ」と直比呂が振り返ると、大きな
「あそこから落ちた時に足を痛めてしまったようです。冷やせば良いかと思って…」
そう言って上の方を指さした直比呂の視線は、指先の小道の方を見上げる娘の
「ちょっと失礼いたします」
「大丈夫。骨は折れてはいないようですね」
娘は、直比呂に肩を貸し、その
また、
娘の手際の良い治療に、驚きながらも安心して身を
娘は言葉が少し不自由なのか、あまり多くを語らなかったが、その美しい瞳を見つめると娘の温かい気持ちが伝わって来るのが
娘のことを
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