目覚め
二日目の朝。目覚めは突然訪れた。
僕の隣で
「ん?あぁぁカイト君、おはぁよ~う」
「おはよう。じゃなくて!なんでいるんですか!!」
「そう言えば昨日カイト君が部屋に戻った後にマリが来て…」
「お姉ちゃん、さっき案内した男の人ってお姉ちゃんの彼氏?」
「…いずれそうなる人だよ。カイト君は」
「せっかく一緒にいるんだからカイト君?の部屋にいってあげたら?他には私がいっといてあげる!」
そう言うと足早に笑顔で走って行ってしまった。
「…と言うことがあって、迷惑だった?」
男子として攻められたら言い返せない質問がきた
「全然!僕もそのほうが落ち着くし!」
改めてこの世界が前にいた世界とは違っていることが実感できる。こんなドタバタなことは無かった。
「では、朝からお恥ずかしい姿をお見せしました。私は部屋にもどります、また食堂でお会いしましょう」
窓を開け、太陽光が部屋に刺す。
グワァァグワァァ
鶏とは程遠い太い鳴き声が耳に入ってきた。
外を覗くと飛竜が飛び交っていた。
この国ではこれが朝の光景なのだろうか。
「さて、食堂に行くか」
大食堂びはもう大勢の兵士やドラグーンの騎手が朝食をとっていた。ワイバーンも果物や生肉をたべておりメルクリアは意外と豊かな国なのかと思う。
「王子ー此方へどうぞ!」
若い男性が私をよんできた。
「君は?」
「はい!僕はマルス竜騎士団副団長のファラドです!どうぞどうぞ!王子の側に座れるなんて光栄です!」
やけにすごいがっつかれるなぁ~そんなに王子の座ってすごいのかなぁぁ?
「そう言えば、エイルを見なかったか?」
「ああエイルさんならあちらにマリさんと一緒にお見えになりますよ」
「ありがとう、少し声をかけてくるよ」
「もうそんな関係なんですか~早いなぁ~!」
この青年のテンションにはあまりついていけなさそうだ。陰キャの象徴だった自分には陽キャの気持ちなんてわかんねぇよ
そんなことを想いつつもこの世界では勇敢さをアピールしなければならない。板に付いたこの性格を正すには彼のような
「そんな関係はないですよ。でも彼女は『いい人』だからそうなるのも時間の問題かもしれませんね。では」
「エイルさんおはようございます。」
「おはようございます」
「あっ昨日のお兄ちゃん!おはよう!」
「さっきはごめんね私朝は少し弱くて」
「全然!?とても可愛かったです!」
自分は朝一番いったい何を言っているんだ?
リア充か!?今自分はリア充になっているのか!?
「…っ///」
可憐な顔が誉れに燃えるように赤らめた。
「朝からないです言ってるの!恥ずかしいからそんなこと言わないでっ!」
まわりはは彼女の声に唖然した。
それからの食事はすこし馴染むことができ楽しく食べることができた。しかし、じぶんには以前から消えない悩みがある。それは彼女が可愛いことである。それはそれは自分の手には余るほど。
クリスタルのような蒼い目、透き通るような白い髪。何もかもが完璧なのだ。
いかにも王女としての気質を持つ存在である
「御馳走様、じゃあ私達は騎竜の訓練に行くから見にくる?」
竜の国ならではの運動なのだろうか、自分もシェムハザと契約する身なのだから騎竜は出来なければならないのだろう。
「もちろん見たいです」
「じゃあついて来て、訓練場に案内するわ」
案内されている最中も空には大量の竜が飛び交っている。
「この街では交通手段にも竜が使われているんだよ!」
「なんだっけ?くるま?とかいうやつは不便だったから竜を使うようになったんだって」
車が不便?時代はどれだけ進んでいるのだ。
やはり空中移動は最強であるのか
「着きました。此処がドラグーン訓練場です」
「ここでは、自分の使い竜を作って騎竜の練習をする。」
「プレーナ!来て!」
エイルが叫ぶと赤紫の竜が召喚された。
「このこは私の使い竜。炎竜のプレーナ。私は主に水魔法を得意としているから火を使えるプレーナを使い竜に選んだの。」
「私みたいに戦闘に有利になるように選ぶ人も沢山いるよ」
「今日は使い竜を選んでもらいたいんだけど、今日は担当が休みだからプレーナに乗せてあげるよ」
使い竜を選べないのは悲しいが実際に竜に乗るのは怖いからエイルさんの竜に乗せて貰えるのは有り難い。
「じゃあ乗って!手綱をしっかり持ってて、万が一落下したときはダーウィンドって叫んで。じゃあ飛ぶよ!」
覇気が風を切り物凄い速さで飛び出した。
ここから僕の、竜ライフが始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます