馬と人の間で
上司と部下
親と子という例えもできるけれど、上司と部下で。
はたして、あなたはよい上司だろうか?
部下にとって働きやすい上司とは、どんな人だろう?
厳しくて怖いけれど、頼りになり、情に篤い人。
フレンドリーで話しやすく、なんでも相談してくれる人。
意見を聞いてくれて、いろいろ任せてくれて、懐の深い人。
逆に困った上司とは、どんな人だろう?
厳しくて怖くて、頼りにならず、責任は部下に押し付ける人。
気が弱くて、優柔不断で指示をはっきり出さない人。
気が小さいくせに、虚勢ばかりはって、偉そうな人。
部下任せで、仕事しない人。
あなたは上司で、馬は部下。
上手に導いて、障害を飛んで帰ってきたり、経路を踏んでみたり、長距離を走ってみたり……と、色々なやるべき仕事があるとする。
だとしたら、あなたはいい上司だろうか?
馬とつきあうのは大変だ……と思っていたが、就職したら、人間と付き合うほうが、ずっと難しいことに気がついた。
馬もいろいろ個性があり、時に、精神的に病んでいる馬もいたりするが、人間も同じで、上司になっても部下になっても、たとえ言葉が通じても……いや、複雑な言葉があるからこそ、また、難しい。
とても厳しくて怖い上司でも、良いタイミングで褒められると、逆にじわっと嬉しくなったりする。そして、仕事が的確で責任感があると、頼りになる。
この人について行けば間違い無いだろう、という安心感が持てる。
馬も多分そうだろう。
優しくて、フレンドリーで、心配りできる上司。仕事をのびのび楽しくこなせるから、きっと、いい結果もついてくる。
馬も多分そうだろう。
馬という部下の目に、上司はどのように映っているのだろうか。
怖くて厳しくて、鞭でばちばち叩いてばかりで、褒めることがない。
おざなりの愛撫で、それすらも、引っ叩かれるのか? と思う。
気が弱くて優柔不断ではっきり指示をもらえない。
信頼せず、常に疑いと警戒心を持って接して来る。
最後には「馬が悪い!」と責任転嫁してくる。
馬だって群の生き物だ。
部下として一緒に仕事をするのなら、いい上司につきたい。
よく、馬に対してリーダーになれ、という。
リーダーとかアルファとか、そういう言葉が理解しにくい場合、よい上司とは何か? 考えてみるといい。
私がよく見る失敗例は、自分が馬のリーダーにならなければ! と気張り、馬より優位に立たなければ! と焦り、悪い上司になるパターンだ。
「馬にバカにされている」という人がいる。
だから、しばいて、わからせる、と。
もしも、あなたの上司が「おまえは俺をバカにしているな、しばいてやる」と言われたら、気持ちよく従えるだろうか?
本当にしばかれたら、勘弁してください、従いますから……になるけれど、それは恨みもあるだろう、ブラック企業だろう。
優しくても厳しくても、北風でも太陽でも……。
それはその人の魂の色なのだから、かまわない。
ただ、馬にとってよい上司であることが大切だ。
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