第4話 前略 お父さんへ


ご無沙汰してます。そちらは涼しくなってきた頃でしょうか。この季節になると、お母さんのご飯を思い出します。きのこや栗の炊き込みご飯、おやつの焼きイモ。大好きでした。

私は先日引越し、自炊を始めました。慣れない土地では買い物の時点で事件の連続で、毎日大変です。調味料もまるで違い、うちの味にはなりませんが、なんとか食べて生きています。

お父さんは、寒い冬に向かう秋は嫌いだと言っていましたが、こちらはとても良い季節です。山のてっぺんの雪が溶け、庭の木も芽が膨らみ始めました。

一周忌の頃には帰りたいのですが、仕事も軌道に乗り、正直分かりません。もし都合がつけば、こっちに来てみませんか。

南半球はこれから春です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る