第5話 天使は容赦なく殺す その2
あの日は、雪が降っていた。雪が降るたび、彼女は、閉じ込められたあの日、救い出した僕のことを思い出すという。ボロボロのコートに雪の嵐。寒そうな君。僕の気配を知って奴らは引き下がる。彼女は死にはしないだろうか。生きてて。僕が守るから。
君を愛してる。
何よりいつも君のことばかり。
僕はいつも君と共に寝る。
僕は冷たいだろうけど、君に生きてて欲しい。
僕の愛情は確かなはずだ。
君を見ていると、瞳孔が開き、僕の目は真っ暗になる。つい父親のようにしてしまう。
君のつま先から、お腹、くちびる、あたまのてっぺんまで、愛しているよ。僕と共に。
君を愛してる。助けてあげるよ。
僕は純朴に君を愛している。あんな冷たい奴らのどこがいいの?僕と共に行こう。
君のつぶらな瞳が好き。僕たちは似たもの同士のはず。だから一緒にいるべき。
君を見ないと、一日に一度でも、君を見ないと、僕の人生の意味はない。
君を愛している。子供のようにかわいい君。僕と結婚しよう。守ってあげるからね。僕は大人だ。僕には君という小さな子が必要なんだ。
君を愛している。僕には力があるが、取引しか出来ない。もし取引のネタがなくなったら、僕はその時、悪魔になって君を追い詰めるの?
その時は教えてほしい。そばに。ねえ君。
愛の群れが僕と君に押し寄せてくる。
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