第4話 天使は容赦なく殺す その1
ねえ。君がいないと私はダメなんだ。とても1人では立って歩いてはいけない。あの時、ドアのない部屋で蹂躙された私を救ってくれたあなた。
あなたは私を抱き抱え、決して屈しなかった。私は例え人生を破壊されても、いつかやつらを殺してやるって、屈しなかった。あなたは泣きながらそばにいてそのたび抱きしめてくれた。奴らを打ちのめしてくれた。
今でも思い出すあのあたたかさ。
ねえ。行かないで。行かないで。いつまでもいつまでもそばにいてよ。
私にはあなたしかいないんだよ。他の誰もあなたの代わりにはならない。
あなたの前だから言うけど、私なんてただのゴミ。利用されるだけのゴミみたいな人生だった。
ねえどうしてあの時助けてくれたの?
私に触れて。手を握って。そうすれば、私があなたのことを好きだってわかるはず。なのにあなたは私に触れてくれない。あたたかい匂い。もっと深く触れたい。私は追いかける。あなたの匂いを。振り返るあなた。
──ベット。あなたのそばでささやく。
「何が欲しいの?何でもあげるよ。」
「君が欲しい」
そんなこというなら本気にして監禁するよ。ただそばにいてくれればいいんだよ。ただ。
あなたは私を抱き抱えながら寝るけど、これっていつまで続くの。
「いつまでも続くよ。」
好きって何だろう。前は寂しくなかったのに。いつか誰かに利用され、男の奴隷になって、結婚するんだと思ってた。みんなそうしてるから。家事を全部押し付けられて、男を立てろ、そのくせ甘えさせろって。
これは何だ。私が子供の頃から聞かされてる、男女の筋書きじゃないぞ。何で愛してくれるの?守ってくれるの?ヒーローなんてゲームの中にしかいないと思ってたのに。
彼はクズじゃないんだ。なぜだろう。あの時もあの時も、いつだって守ってくれた。
なんで最初からいてくれなかったの?
今度は最初からいてね。
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