1日目 はちゃめちゃな海水浴!
三話 いざ海へ!!
いくらか日がたち園長は車で四神たちがいる家に向かっていた。
三泊四日の少し長い旅でいろいろな場所に行く予定のため車は必要なのだ。
家に着くとスザクが待ってましたと言わんばかりに玄関の前で待っていた。その後ろでは眠たげな顔のビャッコと少し不満げな顔をしているゲンブとセイリュウがいた。
車から降り軽く園長とスザクはあいさつを交わし会話をする。
「やっと来たか、もっと早く来てくれてもやかったんじゃぞ?」
「これでも早く来たつもりだったんですけどね…」
「そうか?まぁいいぞ、こんないい企画を用意してくれたんじゃからの」
「楽しんでいただけると幸いです、っとこれで全員か?」
「うむ、あとはオイナリが家の確認をしたらくるじゃろう」
オイナリサマもくるのか、と園長は初耳の様子だったが問題はないということでそのままオイナリサマ参加するということになった。
「ほんと、こんな暑いのに外に出させるだなんて鬼だな」
「私たちを楽しめられなかったら私のこの尻尾で締め付けてあげるから」
「今回で俺の生命が尽きないことを祈りますよ…」
ゲンブとセイリュウの冗談にならないような発言に肝を冷やす。
「すいません~火の周りを確認していたら遅れちゃいました~」
「おぉーオイナリサマ。何かとお疲れ様です」
「いえいえ、安全をちゃんと確認するのが最優先ですものね」
「何はともあれ全員がそろったな。目的地まではかなり時間がかかるから、まぁゆっくりしてくれ」
「移動してる間何してもいい?」
「ん?あぁ何してもいいけど俺の命と車の安全を保障してくれて、うるさくしないのであれば何してもいいけど…」
「じゃあ私は寝てる、それならいいだろう?」
「まぁそれならいいかな」
ビャッコは夜行性というわけではないが夜の静かな時に鍛錬をするということで朝から昼は寝ているそうだ。
「それじゃあとりあえず出発しちゃいますか、車で行くから好きな席に座ってくださいな。車に乗るんで尻尾とか羽根とかしまってくださいね」
「「「「「はーい」」」」」
園長の言葉に各々が返事をした。
「席は俺が一番前で隣に一人、真ん中に二人と一番後ろに二人に座ってもらえるか」
「じゃあ私が前に座りましょうか。何かあっても私がどうにかできるので」
そのことに神たちの大騒動が勃発したのであった。
#
「なぜお前が決めるんだ?しかもお前が前に座るのか?」
「そうねそれを決めるのはあなたじゃないわ」
「そうじゃな、もともとおぬしら行く気が最初はなかったじゃろう?それなら後ろに居たっていいじゃろう?」
「それは関係ないでしょう?うだうだ言ってないでさっさと座ったらどうです?」
だれが一番前、つまり園長である彼の隣に座るかで言い争いが始まってしまった。
ビャッコはその様子をあくびをしながら見ていた。
「あのさぁ、早く寝たいんでさっさと決めてくれない?」
「あー席はどこでもいいんじゃないか?早く行きたいじゃなかったか?」
「なんか時々お前のことが関係すると変な感じになるんだよねこいつら」
園長とビャッコはこの様子を離れたところで見ていたがいよいよ白熱してきたところで仲介に回った。
「じゃあさいっそのことこの人に決めてもらえば?」
「え、俺?まぁいいけど」
ビャッコの提案でどのように席を決めるかを決め園長である彼は席を決めた。
そしていよいよ彼らは車に乗りパークから出る船に車をのせ本州に向かったのであった。
#
流れる潮風に吹かれ、6人を乗せた車は目的地に向かう海岸沿いの道を走っていた。天気は雲もない晴天で本州では今年一番の気温だそうだ。
結局席順はビャッコが前に座りそこで寝て、真ん中にスザクとオイナリサマが座り、一番後ろゲンブとセイリュウが座ることになった。
二人はその結果に納得はしていなかったが何とか説得してもらい乗ってもらったのである。
移動中もそれぞれ各々がかなり自由にいろいろしゃべりあい大騒ぎしていたが、幸いなことに車も園長も無傷ですんだそうだ。
数分後目的地である岬へと到着した。
「ほぅ、ここがわしらが三日間暮らす宿屋か」
「結構人気な宿だそうで三か月間は予約がいっぱいだそうだ」
「まぁ、ぼろい場所じゃないだけまず安心したわ」
外見は白くとてもきれいなコンクリートで少し高級感があるホテルだ。
「あ、そうそう一応ここは人間用の宿だから尻尾とかは隠しておけよ。出していいときは教えるから」
「まぁパークの外はまだアニマルガールを認知してるところはあまりないですから仕方ないですね」
一行は照明玄関から中に入り受付に向かった。
「どうも、今日からの宿泊を予約していたものです」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
「5人で5部屋を借りるってことでしたが貸し切りなので一部屋追加してもらってもいいですかね?」
「ええ、問題ありません。四日間はこの宿では自由になさって構いませんので」
「ありがとうございます」
「ではお部屋に案内するので、こちらにどうぞ」
そして宿の方に促され部屋に案内された。
三階建ての建物に部屋がいくつかあって部屋の名前が『朱雀』『白虎』『青龍』『玄武』だったり『大和』や『稲荷』などの日本の神様の名前で統一されていてちょうどいいのでそれぞれの名前の場所に止まらせることにした。
本人たちは何かむず痒いと言っていたが面白かったのとわかりやすかったのでそのままにすることにした。
部屋を案内された一行はお昼の時間まで部屋に待機することにした。
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